記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2024/1/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肌につらいかゆみが現れたとき、病院でステロイド外用薬を処方されることがあります。ステロイドを含む塗り薬にはさまざまな種類があり、使用している患者さんも多くいます。この記事ではステロイドの成分や外用薬の種類、副作用の例などを紹介します。
有機化合物のなかで「ステロイド核」と呼ばれる構造を持っているものの総称をステロイドといいます。ステロイドは、おもに生物の体内で作られ、たくさんの種類が存在しています。ステロイドは中性脂質やタンパク質、糖類などと一緒に細胞膜の構成成分になり、胆汁に含まれる胆汁酸、生体維持を担うホルモン類として働きます。
少量でも生き物の体や行動に影響を与え、体の働きを調整する役割を持つものを生理活性物質と呼びます。ステロイドホルモンは生理活性物質で体内で合成、分泌されています。ステロイドホルモンには、副腎から分泌される副腎皮質ホルモンと、精巣や卵巣から分泌される性ホルモンがあります。
皮膚科などで処方されるステロイド外用薬には、薬効成分としてステロイドホルモンが含まれています。ステロイドホルモンのほか、さまざまな基剤と混合されていて、軟膏、クリーム、液状など剤形には種類があります。ステロイド外用剤は、湿疹やアトピー性皮膚炎でみられる赤み、かさつき、かゆみなど炎症の鎮静が主な作用です。
ステロイドの作用は強さによって5段階で分類されます。
ステロイド外用薬には副作用があらわれる可能性があります。ただし、内服薬と異なり、外用薬で副作用が生じるのは塗布している部分のみです。医師の指示通りに塗布することで、重大な副作用のリスクを抑えられます。
ステロイド外用薬の副作用は可逆的、不可逆的の2種類に大きく分かれます。
ステロイドには炎症を鎮める作用があります。肌の疾患に対してステロイドは有効ですが、副作用への理解が必要です。ステロイドの強さによって薬は5段階に分類されていますので、症状に見合った段階の薬を用法用量を守って使用しましょう。