記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/8/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ウォーキングは日常生活の延長として始められる、手軽な運動です。
今回はウォーキングに期待できる健康効果や、正しく歩くためのポイント、より安全に運動効率を上げるためのポイントについて解説していきます。
ウォーキングとは、多くの人が毎日行う「歩く」という動作を負荷を変え、運動に昇華させたものです。
ウォーキングは、ランニングやサイクリング、水泳と同じ有酸素運動に分類されます。有酸素運動は、体にたくさんの酸素を取り込みながら行う運動であり、以下のような健康効果をもたらすと考えられています。
上記以外にも、心理的緊張やうつ状態の緩和、睡眠障害の改善、子供の生活習慣形成、老化による病気やQOL(Quality of Life:生活の質)の低下を防ぐことにも役立つとされています。
ウォーキングを「ツライ」と感じるかは、個人の体力や健康状態、コースの距離や環境(コース、高低差、気温・湿度)、時間などが関係してくるので一概には言えませんが、ランニングやジョギングに比べれば、関節や心臓、肺への負荷も少なくて済むので、高齢者や肥満の人、運動に慣れていない体力に不安のある人でも取り組みやすい運動といえるでしょう。
高齢者をはじめ、運動をしない人、きつい運動が嫌いな人には、運動不足解消のためにぜひウォーキングを習慣化して欲しいところですが、ウォーキングも他の運動と同じように「正しいフォーム」で行うほうがより高い健康効果が得られやすく、体を痛めるリスクも減らせます。
以下にウォーキングの正しい姿勢のとり方やフォームづくりのポイントをまとめたので、参考にしてください。
ウォーキングのときに坂道や階段を多く歩くようにすれば、運動負荷を上げることができますし、より高い健康効果も期待できますが、負荷が高くなることで関節や筋肉などを痛めるリスクも高くなります。
関節への負荷が高くなる坂道や階段を歩くときこそ、正しいウォーキングフォームがより大切になってきます。
坂道・階段を歩くときは、以下のポイントに注意してください。
平坦で障害物がない道を歩く限り、ウォーキングは非常に安全性が高い運動です。ただし、普段あまり運動をしない人がウォーミングアップをせずにウォーキングを始めると思わぬケガをしてしまう可能性があります。また、ウォーミングアップやクールダウンを行わないことには、以下のデメリットがあるといわれています。
ウォーミングアップやクールダウンでストレッチをすることは、ケガを防ぐだけでなく、パフォーマンスアップや疲労の回復の助けにもなります。
いろいろなストレッチのやり方がありますが、慣れてない人、どんな方法でしたらいいかわからない人は、以下のストレッチを試してみてください。
ウォーキングはそこまで負荷が高い運動ではありませんが、暑い日や湿度の高い日、体調の悪いときは熱中症のリスクが高まります。ウォーキングであってもこまめな水分補給は必要です。
とくにマスクをしてウォーキングをするときは、のどの乾きを自覚しにくいので注意が必要です。のどが渇いていなくても定期的に水分を摂るようにしましょう。
少し冷たい10℃前後の飲料の方が、冷たさによる胃が刺激で効率よく水分を吸収できるといわれていますが、体温よりも少し低い程度であればそこまで厳密でなくてかまいません。冷たすぎると飲みにくくなるので、飲みやすい温度のもので良いでしょう。
水分量や飲むタイミングに関しては、個人差や環境差があります、以下を目安にしてみてください。
1時間程度のウォーキングであれば、真水での水分補給でかまわないとされていますが、暑さや運動に慣れているか、年齢や持病の有無、気温や湿度、その日の体調によっても違ってきます。必要に応じてスポーツドリンクや経口補水液を使用してもいいでしょう。
ただし、糖尿病や肥満、高血圧などの持病があり、糖分や塩分の摂取制限をされている人は、ウォーキングをしてもよいかの許可も含めて事前に確認してください。
有酸素運動の一種であるウォーキングには、脂肪燃焼によるダイエットや生活習慣病予防、アンチエイジングなどの健康効果が期待できます。比較的体の負担が少なく、普段あまり運動をしない人でも手軽に始められる運動ではありますが、ケガや熱中症のリスクがないわけではありません。正しいフォームと水分補給を心がけ、安全に効率よくカロリーを消費しましょう。