フレイルを予防して健康寿命を延ばそう
2026/1/20
医療の発達で平均寿命は延びていますが、できるだけ健康寿命(自立して健康に過ごせる期間)を延ばすことが重要です。日本では平均寿命と健康寿命の差が男性で約8.5年、女性で約11.6年あり、この期間は要介護や寝たきりになるリスクが高いとされています。高齢期の**フレイル(虚弱)**を予防し、いつまでも元気に自立した生活を送るために、日々の生活で心掛けたいポイントを紹介します。
フレイルとは?まずは現状を知ろう
フレイルとは、加齢に伴い心身の活力が低下しつつある「要介護予備群」ともいえる状態です。適切な対策を取らないと転倒・骨折や認知機能低下につながりやすくなりますが、早めに気付いて対処すれば元の健康な状態に戻る可能性があります。フレイルのサインとして、体重減少(6か月で2〜3kg以上の減少)、筋力低下(握力低下など)、疲れやすさ、歩行速度低下、社会活動の減少などが挙げられます。ご自身や家族の様子を見て、これらの兆候に気付いたら積極的に対策を始めましょう。かかりつけ医や地域包括支援センターでフレイルチェックを受けられる場合もあります。
バランスの良い栄養摂取とオーラルケア
フレイル予防の第一歩は、しっかり栄養をとることです。中でも低栄養(特にたんぱく質不足)はフレイルを加速させる大きな要因です。高齢者は若い頃より食が細くなりがちですが、意識して肉や魚、大豆製品、乳製品など良質なたんぱく質を毎食摂るようにしましょう。一日3食が難しければ、間食にヨーグルトやチーズ、プロテイン飲料などを活用してもかまいません。併せてオーラルフレイル(口の機能低下)対策も重要です。歯や歯茎の健康状態が悪いと食べられるものが限られ、栄養の偏りや食欲低下につながります。実際、歯の本数が少なくなると噛める食品が減り、炭水化物中心でたんぱく質不足の食生活に陥りがちであることが指摘されています。定期的に歯科検診を受け、むし歯や歯周病を治療する、合わない入れ歯を調整するといった対応をしましょう。また、先述の嚥下体操や口の周りの筋肉トレーニングを続けることで、噛む・飲み込む力を維持することもフレイル予防に役立ちます。
適度な運動習慣で筋力を維持
運動はフレイル予防のもう一つの柱です。筋力低下を防ぐため、ウォーキングや筋力トレーニング、ストレッチなど、自分に合った形で体を動かす習慣を持ちましょう。特に下肢の筋力維持は転倒防止に直結します。テレビを見ながらの足踏みや、椅子から立ったり座ったりを繰り返すスクワット運動など簡単なものから始めてみてください。先述のように運動には認知機能の維持や抑うつ予防効果も期待できます。家の中でできる体操DVDや動画を利用したり、家事を積極的にこなすことも立派な運動になります。大切なのは毎日継続することです。少しずつでも体を動かし、「動ける体」をキープしましょう。
社会参加で心身の活力を保とう
人とのつながりを持ち、社会参加を続けることもフレイル予防には欠かせません。家に閉じこもりがちになると、身体活動量が低下するだけでなく、意欲や認知機能も衰えやすくなります。趣味のサークルやボランティア活動、地域のサロンへの参加など、自分の好きな形で社会と関わりを持ち続けましょう。「最近話し相手が少ない」という方は、思い切って地域のイベントに顔を出してみたり、シニア向けの市民講座に参加してみるのもおすすめです。近年はスマートフォンやオンラインツールを使って交流する高齢者も増えており、離れて暮らす家族とビデオ通話をしたり、オンライン趣味サークルに参加したりといった方法もあります。誰かと食事をする共食の機会も大切です。研究によれば、一人で食事する高齢者は複数人で食事する人に比べてフレイル発生リスクが約2倍になるとのデータもあります。できる範囲で人と関わり、「役割」や「楽しみ」を持ち続けることが心身の活力維持につながります。
まとめ
フレイル予防には、「栄養・運動・社会参加」という3本柱が不可欠です。この3つに口腔ケアを加えた取り組みを日々意識することで、加齢による衰えを最小限に抑え、健康な状態をできるだけ長く保つことができます。「歳だから仕方ない」と諦めず、小さな工夫を積み重ねていきましょう。それが結果的に自分らしくいきいきと暮らせる時間を延ばすことにつながるのです。











