床ずれを防ぐための体位変換と皮膚観察の基本

2026/4/29

床ずれは同じ場所への圧迫から起こりやすくなります

床ずれは、医学的には褥瘡と呼ばれ、同じ場所に体重の圧迫が続くことで血流が悪くなり、皮膚やその下の組織が傷つく状態です。寝たきりの人だけでなく、椅子や車椅子で過ごす時間が長い人、やせて骨が出ている人、むくみがある人、栄養状態が低下している人でも注意が必要です。
床ずれは、最初から深い傷として見えるとは限りません。赤み、皮膚の硬さ、熱感、痛み、色の変化など、小さな変化から始まることがあります。早い段階で気づき、圧迫を減らすことが大切です。

体位変換は本人の状態に合わせて行う

自分で寝返りができない人では、同じ部位に圧迫が続かないように体位変換を行います。時間だけで機械的に動かすのではなく、皮膚の状態、体格、マットレス、栄養状態、痛み、呼吸のしやすさなどを見ながら調整します。
横向きにするときは、骨盤や肩だけに圧が集中しないよう、クッションや枕を使って体を支えます。完全な横向きがつらい場合は、少し角度をつけるだけでも圧の分散に役立つことがあります。かかとは床ずれが起こりやすい部位のひとつです。必要に応じて、ふくらはぎを支えてかかとを浮かせるなどの工夫をします。
車椅子で過ごす人は、座っている時間、座面の硬さ、姿勢の崩れに注意します。ずり落ちた姿勢は、お尻や尾骨周辺に圧やずれがかかりやすくなります。座り直しやクッションの見直しを行い、専門職に相談することも大切です。

皮膚を清潔に保ち、湿りすぎを防ぐ

皮膚は、尿や便、汗で湿った状態が続くと傷つきやすくなります。排泄後は強くこすらず、やさしく汚れを落とし、必要に応じて保湿剤や保護剤を使います。おむつやパッドは、吸収量やサイズが合っているかを確認しましょう。
入浴や清拭のときは、骨が出ている場所を観察するよい機会です。仙骨部、尾骨、かかと、くるぶし、肘、肩甲骨、耳の周辺などを確認します。赤みがある場合は、指で軽く押したときに白く変わるか、痛みがあるか、熱をもっているかを見ます。ただし、強く押したり揉んだりすることは避けましょう。
栄養と水分も皮膚の健康に関わります。食事量が減っている、体重が落ちている、脱水が疑われる場合は、床ずれの予防とあわせて栄養面の相談も必要です。

赤みや傷を見つけたときの対応

赤みが消えない、皮膚がむけている、水ぶくれがある、黒っぽい変色がある、浸出液やにおいがある場合は、早めに医師や訪問看護師に相談してください。自己判断で市販薬を塗ったり、強くマッサージしたりすると、状態が悪くなることがあります。
発熱、強い痛み、急な腫れ、意識状態の変化などがある場合は、感染などの可能性も考えられるため、速やかな相談が必要です。
床ずれ予防は、体位変換、皮膚ケア、栄養、姿勢、寝具やクッションの調整を組み合わせて行います。介護者だけで抱え込まず、訪問看護師、ケアマネジャー、医師、管理栄養士、福祉用具専門相談員などと連携し、本人に合った方法を整えましょう。

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