記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/6/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
妊娠中の食事は、妊娠が分かってから急に整えるものと思われがちですが、妊娠前からの栄養状態も大切です。特に葉酸は、妊娠を計画している女性や妊娠の可能性がある女性にとって意識したい栄養素とされています。
妊娠を計画している時期から妊娠初期にかけては、おなかの赤ちゃんの神経管閉鎖障害(二分脊椎など)が起こるリスクを下げるために、葉酸を十分にとることがすすめられています。ふだんの食事に加えて、サプリメントなどから1日400マイクログラムを目安にとる考え方が示されています。ただし葉酸はとりすぎにも上限があるため、複数のサプリメントの併用は避け、製品の表示や、医師・薬剤師に確認しましょう。
忙しい生活の中では、朝食を抜く、主食だけで済ませる、野菜が少ない、体重管理のために食事量を減らしすぎるなどの習慣が起こりやすくなります。妊娠中はつわりや体調変化もあり、思うように食べられない時期があります。完璧な食事を目指すより、妊娠前から基本の食事を整え、必要な情報を確認しておくことが安心につながります。
葉酸は、緑黄色野菜、豆類、果物、海藻、レバーなどに含まれるビタミンです。妊娠前から妊娠初期にかけては、通常の食事に加え、サプリメントなどからの葉酸摂取がすすめられる場合があります。ただし、たくさんとればよいというものではなく、上限や時期を意識することが大切です。サプリメントを使う場合は、複数の商品を重ねて飲まない、成分量を確認する、持病や服薬がある人は医師や薬剤師に相談するなどの注意が必要です。食事では、葉酸だけに注目せず、主食、たんぱく質を含む食品、野菜、乳製品などを組み合わせて、栄養全体を整えましょう。
妊娠中は、食品の扱いにも注意が必要です。リステリアなど一部の食中毒菌は、妊娠中に特に注意したいものとして示されています。加熱が不十分な食品、ナチュラルチーズなど加熱せずに食べる食品、生ハム、スモークサーモンなどは、製品や保存状態によって注意が必要な場合があります。基本は、食品を十分に加熱する、冷蔵が必要なものを長く常温に置かない、期限を確認する、調理前後に手を洗うことです。外食や中食を使う場合も、信頼できる店を選び、持ち帰った食品は早めに食べます。体調に不安があるときは、生ものや加熱の不十分な食品を避けるほうが安心です。
妊娠初期には、吐き気やにおいへの敏感さで食べられるものが限られることがあります。この時期は、栄養バランスを完全に整えようとしすぎると、かえって負担になることがあります。食べられるものを少量ずつ、空腹になりすぎないようにとる、冷たいものやにおいの少ない食品を選ぶなど、自分に合う方法を探しましょう。水分がとれない、尿が少ない、体重減少が大きい、吐き気が強く日常生活に支障がある場合は、妊娠悪阻の可能性もあるため、産婦人科へ相談してください。家族は、食べられないことを責めず、買い物や調理、におい対策を支えることが大切です。
妊娠前後の食事は、インターネット上に多くの情報があり、何を信じればよいか迷いやすい分野です。妊娠を考え始めたら、自治体の母子保健窓口、産婦人科、助産師、管理栄養士などに相談できることを知っておきましょう。出血、強い腹痛、発熱、繰り返す嘔吐、水分がとれない、意識がぼんやりする、呼吸困難などがある場合は、早めに医療機関へ連絡します。妊娠中の食事は、制限ばかりではなく、本人と赤ちゃんの体を支えるためのものです。正確な情報をもとに、無理なく続けられる食生活を整えていきましょう。