記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
私たちの体に入っている臓器のうち、名前を聞いても、その働きや明確な位置がわかりにくいものの1つに「胆嚢(たんのう)」があります。
今回は胆嚢について、その位置や働き、病気や発症時の症状のことまで、まとめて解説していきます。
胆嚢は、体の右側肋骨の内側にある肝臓の下面に隣接する、ナスのようなかたちの臓器です。
胆管という管とつながっていて、胆管を経由して肝臓・十二指腸にもつながっています。
働きとしては、肝臓で作られた胆汁(たんじゅう)という消化液を、十二指腸で放出する前に、一時的に濃縮して蓄えておく機能を持っています。
胆汁は、特に脂質の分解を得意とする消化液であるため、脂質の多い食事をしたときに胆嚢が収縮し、十二指腸から胆汁が放出される仕組みになっています。
胆嚢が発症し得る代表的な病気に、胆嚢のむくみや腫れを伴う急性胆嚢炎があります。
急性胆嚢炎は、胆嚢内でできた石が胆嚢のなかで動けなくなって胆管を詰まらせたり、胆管の奇形や捻転、周囲の臓器の疾患などが原因で起こります。胆管の詰まりや周囲臓器の病気がきっかけとなり、周囲から胆嚢や胆汁に細菌が感染したり、膵液が逆流してくることで胆嚢が炎症を起こした状態です。
急性胆嚢炎によって胆嚢が腫れると、以下のような症状が現れます。
炎症が進行するごとに急性胆嚢炎の痛みは増していき、それでも放っておくと、胆嚢の壁が少しずつ壊死していきます。
胆嚢や胆管に石ができて、痛みや炎症を引き起こしてしまう病気を胆石症といいます。
胆石症は、石ができる場所や詰まる場所によって病名が変わるため、胆嚢結石、総胆管結石、管内胆管結石などと呼ばれることもあります。
胆嚢や胆管にできる石である「胆石」は、肝臓から運ばれてきた胆汁を一時貯蓄するにあたり、濃縮する過程で生じる結晶のことです。
胆汁はビリルビン、コレステロール、胆汁さん、レシチンなどのリン脂質を主成分としていますが、成分の偏りや細菌感染があると、自然に結晶化することがあるのです。
どのような過程で結石するかにより、石の性質も変わってきます。
なお、胆嚢・胆管に石ができて胆石症になると、以下のような症状が現れます。
上記の胆石症による痛みや症状は、脂質の多い食事や食べすぎた後、夜間や就寝中に起こりやすいのが大きな特徴です。
ただ、人によっては自覚症状がないまま発症しているケースもあるようです。
肝臓の下にあり、肝臓・十二指腸とつながっている胆嚢は、肝臓で作った消化液を一時的に濃縮・保管し、必要に応じて放出する機能を持つ臓器です。この胆嚢に腫れや結石などの病変が起こると、胆嚢がある右上腹部・みぞおちのあたりを中心に、痛みが出るようになります。痛みは時間とともにひどくなり、激痛に変わる頃には炎症が進行して、胆嚢の壁を壊死させてしまいます。みぞおちに気になる痛みがあるなら、早めに病院に行きましょう。
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