記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/14
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
私たちの体には、胃や腸などと並ぶ消化器官の1つとして「十二指腸」があります。
しかし、病名などで十二指腸という単語は聞いたことがあっても、実際にどこにあってどんな働きをしているのか、よく知らない人も多いでしょう。
そこで今回は、十二指腸という臓器について、わかりやすくご説明していきます。
十二指腸は消化器官の一種で、胃と小腸をつなぐ通り道として、胃で消化した食べ物を消化液と混ぜて小腸に運ぶ役割を果たしています。
長さは約25cmほど、アルファベットの「C」のかたちをした管状の器官で、かつて「指を横に12本並べたくらいの長さ」といわれていたことから名づけられました。
位置としては胃の左側、背中の方にむかって湾曲した部分が広がっています。胃から小腸にかけての各部位は区分され、胃に近い方から上部・下行部・下部・上行部と呼ばれ、最も湾曲している箇所は十二指腸湾曲と呼称されます。
膵臓と胆のうとつながり、後部からは膵臓・胆のうから分泌された消化液を受け取れる仕組みになっています。
胃から十二指腸に食べ物が運ばれてくると、脂質や糖質などに反応してセクレチン、コレシストキニン、胃抑制ペプチドという3種類のホルモンが分泌されます。
すると、3種類のホルモンはそれぞれ十二指腸につながる胃、胆のう、すい臓の各臓器に対して、以下のように働きかけます。
各ホルモンの働きにより分泌された胆汁と膵液は、消化液として十二指腸へとつながるファーター乳頭という管から押し出され、食べ物の消化・吸収を促します。胆汁と膵液は胃酸よりも強力な消化液で、タンパク質や脂質の消化に有効です。
このように、胃で消化しきれなかった食べ物と栄養成分を少しずつ消化・吸収しながら、小腸へと送るのが十二指腸のはたらきなのです。
十二指腸が病気になると、不快な症状を伴い日常生活に支障をきたすようになります。
ここからは、代表的な十二指腸の病気である十二指腸潰瘍を例に、十二指腸が病気になる原因や発症時の症状について、ご説明していきます。
十二指腸の組織は通常、強力な酸性である胃酸を受けても傷つかないよう、粘膜によっておおわれて守られています。
しかし、ピロリ菌感染や薬の副作用などでこの粘膜が機能しなくなると、十二指腸の組織は胃酸のダメージをもろに受けて傷つき、炎症を起こします。
粘膜機能が回復しないまま放っておくと、炎症はやがて組織の欠損に、欠損は穴となって十二指腸潰瘍を発症し、以下のような症状に見舞われるようになるのです。
十二指腸は胃と小腸の間、背中側に位置する消化器官で、胆のう・膵臓と接しています。胃から食べ物を受け取ると、3種類のホルモンを分泌してタンパク質・脂質の消化に有効な胆汁・膵液を分泌し、消化と吸収をサポートします。このように、十二指腸は食べ物の消化吸収において重要な役割を担っているため、病気になると吐き気や強い痛みといった特徴的な症状が現れるようになります。該当する症状があれば、早めに病院を受診してください。
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