血糖値が気になる人の間食の選び方

2026/6/30

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

間食を一律に禁止する必要はない

血糖値が高いと指摘されると、菓子や果物をすべてやめなければならないと考える人がいます。しかし、間食が必要かどうかは、食事量、体格、活動量、生活リズム、使用している薬、低血糖の起こりやすさなどによって異なります。
厳しい食事制限によって必要なエネルギーや栄養素が不足すると、体重や筋肉が減ったり、体調を崩したりすることがあります。間食は一日の食事に追加されるものとして考え、食べた分を含めて全体の量を整えましょう。
糖尿病の治療中は、自己判断で間食を始めたり中止したりせず、主治医や管理栄養士と目的や適量を確認することが大切です。

間食の目的を整理する

間食には、空腹を和らげたり気分転換をしたりする楽しみとしての役割と、食事だけでは不足しやすい栄養を補う役割があります。また、インスリンや一部の血糖降下薬を使用している人では、低血糖を防ぐための補食が治療計画に含まれる場合があります。
低血糖予防のための補食と、楽しみとして食べる嗜好品では目的が異なるため、同じように扱わないことが大切です。
夕食後に習慣で菓子を食べている、仕事や家事の合間に無意識に食べている、周囲から勧められるたびに甘い物を口にしているなど、目的が曖昧な間食は量が増えやすくなります。何のために、いつ、どの程度食べているかを記録すると、見直しやすくなります。

食べる時間と量を決める

袋や箱から直接食べると、どの程度食べたか分かりにくくなります。食べる分だけ小皿に出し、残りは片づけるようにしましょう。個包装の商品を選ぶことも、量を管理する方法の一つです。
間食の時間を決めず、目につくたびに少量ずつ食べると、一日を通した摂取量が増えやすくなります。夕食後から就寝前にかけての間食が習慣になっている場合は、夕食の量や時間、日中の活動量、睡眠との関係も振り返ります。
食事と食事の間が長く、強い空腹から次の食事を食べすぎてしまう人では、日中に適量の間食を取ることが役立つ場合もあります。適切な時間や量には個人差があるため、具体的な目安は医師や管理栄養士などの専門職に確認してください。

果物や乳製品も食べる量を確認する

果物や乳製品は、ビタミン、ミネラル、食物繊維、たんぱく質などを取れる食品です。ただし、健康によいという理由で無制限に食べてよいわけではありません。
果物をジュースにすると、短時間で多くの量を取りやすく、形のある果物に比べて食物繊維も少なくなりやすいため、基本的にはそのまま食べることを考えます。
ヨーグルトは加糖か無糖かを確認し、飲むヨーグルトや乳酸菌飲料は糖質量にも注意しましょう。牛乳や乳製品にも糖質やエネルギーが含まれるため、飲食した量を一日の食事に含めて考えます。
腎臓病などでカリウム、リン、たんぱく質を調整している人や、食物アレルギーがある人は、適した食品や量が変わることがあります。治療内容や体調に合う食品を選びましょう。

菓子類は栄養成分表示を比べる

包装された菓子や飲料には、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量などの栄養成分が表示されています。「一袋当たり」「一個当たり」「100グラム当たり」など、どの量を基準にした表示なのかを確認し、実際に食べる量に置き換えて見ましょう。
小さく見える菓子でも、脂質や糖質を多く含むことがあります。せんべいや米菓、スナック菓子は甘くなくても炭水化物を含み、商品によっては食塩や脂質も多くなります。
「糖質を抑えた」「砂糖不使用」などの表示がある商品でも、脂質やエネルギーが少ないとは限りません。また、「砂糖不使用」であっても、原材料に由来する糖質が含まれている場合があります。表示の一項目だけで判断せず、食べる量や食事全体との組み合わせを考えることが大切です。

低血糖時は通常の間食と分けて対応する

低血糖では、冷や汗、手の震え、動悸、強い空腹感、ふらつき、集中しにくさなどが現れることがあります。症状が進むと、反応が鈍くなる、受け答えが普段と違う、強い眠気が出る、意識が低下するといった変化が起こる場合もあります。
低血糖時に取る食品や量は、医師から指示された方法に従ってください。チョコレートやアイスクリームなど脂質の多い食品は、糖の吸収が遅くなるため、緊急時の対応に適さない場合があります。
症状が改善しない、意識が低下している、けいれんがある、自分で安全に飲み込めないといった場合は、口から食べ物や飲み物を与えず、周囲の人が救急要請を検討します。低血糖を繰り返す場合は、間食だけで対応せず、食事や薬の調整について医療機関へ相談しましょう。

家族や周囲の人ともルールを共有する

家庭、職場、学校、通所施設など複数の場所で間食を取っていると、本人が意識している以上の量を食べていることがあります。間食を提供したり勧めたりする人がいる場合は、食べる時間、内容、量について共有しておきましょう。
制限を強調して楽しみをすべて取り上げるのではなく、本人の好みや生活リズムを確認しながら、量や頻度を調整することが大切です。菓子を見える場所に置かない、食べる分だけ準備する、食べる時間を決めるなど、無理なく続けられる環境づくりも役立ちます。
病気や障害などにより、自分で間食の量を管理することが難しい場合は、家族や支援者が一緒に記録し、安心できる方法を考えます。血糖値だけでなく、体重、食欲、活動量、筋力、生活の満足度なども含めて確認しましょう。

治療中に相談したい変化

間食を減らした後に体重が急に減った、食事を残すようになった、体力が落ちた、低血糖を繰り返すといった場合は、食事や薬の調整が必要な可能性があります。
反対に、強いのどの渇き、尿の増加、著しいだるさ、意図しない体重減少などがある場合は、高血糖が進んでいることも考えられます。嘔吐、腹痛、意識の変化、呼吸の異常などを伴う場合は、速やかに医療機関へ連絡してください。
間食の選び方に、すべての人に共通する一つの正解はありません。年齢だけで判断せず、体格、活動量、生活リズム、治療内容、合併症、食事の楽しみなどを考慮しながら、食事計画を定期的に見直しましょう。

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