記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/8/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
月経が近づくと、いつもより眠い、体が重い、集中しにくい、気分が不安定になると感じる人がいます。こうした症状が月経開始の3~10日前ごろから現れ、月経が始まると軽くなる場合は、月経前症候群、いわゆるPMSの症状の可能性があります。PMSには腹部の張りや頭痛などの身体症状だけでなく、眠気、疲れやすさ、イライラ、気分の落ち込みなどさまざまな症状があり、現れ方や程度には個人差があります。排卵後の女性ホルモンの変化に体が反応することなどが関係すると考えられ、ストレスや睡眠不足が重なるとつらく感じることもあります。
月経前の不調に対処するときは、まず自分の症状がいつ強くなるのかを把握することが役立ちます。月経開始日とともに、眠気、だるさ、頭痛、腹痛、気分の変化、睡眠時間などを手帳やアプリに簡単に記録してみましょう。毎日細かく書く必要はなく、調子を数段階で評価するだけでも構いません。何周期か記録すると、月経前に集中しているのか、月経周期とは関係なく続いているのかが見えやすくなります。仕事や家事、介護など負担の大きい予定を調整するときにも利用でき、医療機関へ相談するときには症状を説明する手がかりになります。
月経前に強い眠気があると、休日に長く寝たり、夕方まで昼寝をしたりしたくなることがあります。ただし、起床時刻が日によって大きくずれると、夜に寝つきにくくなる場合があります。できる範囲で起きる時間をそろえ、朝はカーテンを開けて光を浴び、日中は散歩や軽い体操などで体を動かしてみましょう。眠気が強い日は短時間の休憩を取り、無理に活動量を増やす必要はありません。また、夜遅い時間まで仕事やスマートフォンを続ける習慣がある場合は、就寝前に画面から離れる時間をつくることも睡眠を整える一つの方法です。
だるさが強い時期は、料理や買い物そのものが負担になることがあります。毎回きちんと作ろうとせず、ごはんやパンなどの主食、卵や魚、豆腐などのたんぱく質、野菜や果物を、用意しやすい形で組み合わせると続けやすくなります。食欲が変化する人もいますが、特定の食品だけでPMSを解消しようとする必要はありません。家族と暮らしている場合は、不調が強まりやすい時期を伝え、家事や介護を分担することも一つの方法です。介護職など勤務の調整が難しい場合も、可能であれば休憩を取りやすい作業の組み方や、負担の集中を避ける方法を職場で相談しておくとよいでしょう。
月経前の不調はよくみられるものですが、我慢し続けなければならないものではありません。毎月のように仕事や学校を休む、家事や介護ができないほど疲れる、気分の落ち込みやイライラが強く人間関係に影響する場合は、婦人科や産婦人科で相談してください。月経に伴う不調の背景に、貧血、子宮内膜症、子宮筋腫、甲状腺の病気など別の原因が隠れている場合もあります。強い抑うつや不安が続く場合は精神科や心療内科などとの連携が必要になることもあります。症状を月経だから仕方がないと決めつけず、生活への影響を受診の目安にすることが大切です。
月経前の眠気やだるさには個人差があり、毎月同じ程度とは限りません。体調が比較的安定している日に予定を進め、不調が出やすい日は休憩を確保するなど、自分の周期を生活設計に生かす方法があります。セルフケアを続けても症状が強い場合は、治療を含めて医師と相談できます。症状の記録を利用しながら、無理を重ねない方法を探していきましょう。