記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/8/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子どもがなかなか寝ない、朝起きる時間が日によって違う、食事の時間がずれるなど、生活リズムについて悩む家庭は少なくありません。特に乳幼児期は、成長とともに睡眠や食事のパターンが変化するため、一度整ったように見えても、昼寝の変化や体調、保育園への入園などをきっかけに生活時間が変わることがあります。
子どもの生活リズムを考えるときは、毎日同じ時刻に寝かせることだけを目標にするのではなく、起床、食事、活動、入浴、就寝という一日の流れを大きく崩さないことがポイントです。こども家庭庁の未就学児向け睡眠資料でも、睡眠と覚醒のリズムは発達とともに形成され、生活の中で睡眠を考えることの重要性が示されています。
子どもの睡眠には個人差があります。寝つくまで時間がかかる日があるからと、保護者が必要以上に焦る必要はありません。まずは数日から1週間程度の生活を振り返り、毎日大きく変わっている時間帯がないか確認すると、調整するポイントを見つけやすくなります。
生活リズムを整えようとすると、夜早く寝かせることに意識が向きやすくなります。しかし、睡眠のリズムには朝の過ごし方も関係しています。厚生労働省の睡眠に関する情報では、こどもについて、朝に光を浴びることや朝食をとること、日中に体を動かすことなどが良い睡眠につながる生活習慣として示されています。
朝は可能な範囲で大きく起床時刻をずらさず、起きたらカーテンを開けて明るい環境で過ごします。着替え、顔を洗う、朝食をとるなど、毎朝おおむね同じ順序で行うと、一日の始まりが分かりやすくなります。
休日に少しゆっくり過ごすこと自体を過度に心配する必要はありません。ただし、休日だけ昼近くまで眠り、夜に眠れなくなる状態を繰り返している場合は、平日との差を少し小さくすることを考えます。家族全員が子どもに合わせた生活を完璧に守るのではなく、続けられる範囲で朝の流れを一定にすることが大切です。
食事の時間も、一日の生活リズムをつくる手がかりになります。朝食、昼食、夕食をおおむね決まった流れでとれるようにし、間食が食事に影響する場合は時間や量を見直します。乳幼児では月齢や発達によって授乳や離乳食の回数が変わるため、決められた時刻へ無理に合わせるのではなく、成長段階に応じて調整します。
また、日中に体を動かすことも大切です。天候がよければ散歩や外遊びを取り入れ、外出できない日は室内で遊ぶなど、起きている時間に活動できる環境をつくります。厚生労働省のこども向け睡眠情報でも、朝の光、朝食、日中の運動などを生活習慣のポイントとして示しています。
一方、予定を詰め込みすぎて夕方まで強い刺激が続くと、疲れて機嫌が悪くなる子どももいます。習い事や外出の量は家庭によって異なりますが、食事や入浴、就寝まで慌ただしい日が続いている場合は、何もしない時間を設けることも生活を整える方法の一つです。
寝る前に行うことをある程度決めておくと、子どもが就寝へ切り替えやすくなることがあります。たとえば、夕食、入浴、歯みがき、絵本、消灯といった流れを家庭に合わせてつくります。順序は家庭によって異なって構いません。毎日完全に同じ時刻にすることより、寝る前の行動を大きく変えすぎないことがポイントです。
就寝直前までテレビやスマートフォン、タブレットなどを見続ける習慣がある場合は、使う時間帯を見直します。厚生労働省の睡眠ガイドでは、こどもの睡眠を確保するため、朝の光や日中の活動とともに、夜間のデジタル機器の使用にも配慮することが示されています。
子どもが寝ないからと強く叱ったり、眠くない状態で長時間寝床にいさせたりすると、寝る時間そのものを嫌がるようになる場合があります。眠る前の時間を静かに過ごし、家庭に合った無理のない習慣を繰り返すことが大切です。
乳児の睡眠では、何時に寝るかだけでなく、安全な睡眠環境を整えることも重要です。こども家庭庁では、1歳になるまでは寝かせるときにあおむけにすること、睡眠中の窒息事故につながる物を周囲に置かないことなど、安全な睡眠環境について注意を呼びかけています。
日本小児科学会も、乳児の安全な睡眠環境の整備が、睡眠中の窒息事故や乳幼児突然死症候群の予防に関係するとして、寝具を含む環境づくりについて情報を示しています。
夜中に赤ちゃんが何度も起きる時期には、保護者も睡眠不足になりやすくなります。疲れが強い状態で授乳や寝かしつけを行うと、保護者自身が眠り込んでしまうこともあります。育児を一人で抱えず、可能であれば家族で対応を交代するなど、子どもの睡眠だけでなく世話をする大人の休息も確保することが大切です。
寝る時間や起きる時間が多少前後することはあります。生活時間だけを細かく管理するより、朝起きられるか、日中に元気に活動できているか、食欲があるか、強い眠気が続いていないかなど、子どもの日中の状態も合わせて確認します。
睡眠時間には年齢による違いがあり、厚生労働省の睡眠ガイドでは、成長段階に応じた睡眠時間を確保することが推奨されています。たとえば小学生では9時間から12時間、中学・高校生では8時間から10時間が参考として示されています。 ただし、必要な睡眠時間には個人差があるため、数字だけで十分か不足しているかを決めるものではありません。
夜なかなか眠れない状態が長く続く、いびきが非常に大きく呼吸が止まっているように見える、日中の眠気が強く生活に支障がある、朝起きられず登園や登校が難しいといった場合は、小児科などへ相談します。生活リズムが乱れているからと家庭の努力だけで解決しようとせず、睡眠や体調に別の問題がないか確認することも大切です。
子どもの生活リズムは、短期間で完成するものではありません。成長や家庭の状況に合わせて、朝の過ごし方、食事、日中の活動、寝る前の習慣を少しずつ整えていきます。予定どおりに進まない日があっても、一日の流れを大きく崩しすぎないことを意識し、親子ともに続けやすい生活を目指しましょう。