記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/8/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
健康診断の超音波検査や血液検査をきっかけに、脂肪肝を指摘されることがあります。脂肪肝というと酒を多く飲む人の病気という印象がありますが、肥満や糖尿病など代謝の問題に関連する脂肪性肝疾患もあります。現在は、こうした病態について代謝機能障害関連脂肪性肝疾患を意味するMASLDという名称が用いられています。日本肝臓学会では、従来のNAFLDやNASHに関する診療ガイドラインを、MASLD診療ガイドライン2026へ改訂しています。脂肪肝は自覚症状が乏しいことがあり、痛みやだるさがないから問題ないとは限りません。健康診断で肝機能異常や脂肪肝を指摘された場合は、飲酒の有無だけで判断せず、体重、血糖、脂質などを含めて状態を確認することが重要です。
脂肪肝を改善しようとして、油を完全に抜く、炭水化物を食べないなど極端な食事を始める必要はありません。日本消化器病学会の市民向けの情報では、脂肪肝対策として栄養バランスを整えながら、過剰なエネルギー摂取を見直すことが重要とされています。まず確認したいのは、大盛りの食事が習慣になっていないか、菓子や甘い飲み物を頻繁にとっていないか、夕食後にも多く食べていないかといった日常の積み重ねです。主食、主菜、副菜を組み合わせながら、自分の活動量に対して食事量が多すぎないかを見ます。健康に良いとされる食品であっても、大量に追加すればエネルギー摂取量が増えることがあります。一つの食品に改善効果を期待するより、食生活全体を調整することが基本です。
食事量は普通だと思っていても、飲み物や間食からエネルギーをとっていることがあります。砂糖を含む清涼飲料水、加糖のコーヒーや紅茶、菓子などが毎日の習慣になっている場合は、頻度や量を確認しましょう。水や無糖のお茶へ置き換える、菓子を毎日ではなく回数を決めて楽しむなどの方法があります。また、果物や乳製品など健康的なイメージのある食品でも、現在の食事へ単純に追加するのではなく、一日全体の食事量の中で考えます。体重管理が必要な場合でも、急激な減量を目標にして食事を抜く方法は避けます。継続できる範囲で食事量を調整し、身体活動も組み合わせることが重要です。糖尿病などを合併している場合には、食事療法の内容について医療者へ相談してください。
飲酒習慣がある場合は、脂肪肝を指摘されたことをきっかけに量や頻度を振り返りましょう。アルコールは肝臓だけでなく、血圧や中性脂肪などにも関係します。飲酒量が多い人では、酒そのものから摂取するエネルギーに加え、飲酒時の食事量が増えることもあります。酒の種類を変更するだけでは、アルコール摂取量そのものが減らない場合があります。肝機能異常がある人にとって適切な飲酒量は病状によって異なるため、一般的な目安だけで自己判断しないことが大切です。医師から禁酒や減酒を指示されている場合は、その方針に従います。また、飲酒量を自分で減らすことが難しい場合には、そのこと自体を医療機関へ相談することができます。食事と飲酒を別々に考えず、一日の生活習慣として整理しましょう。
肝臓の検査値が高くなる原因は脂肪肝だけではありません。ウイルス性肝炎、薬剤による肝障害など別の原因が関係する場合もあります。脂肪肝と言われた経験があっても、その後の肝機能異常をすべて同じ原因と考えないようにしましょう。健康診断で肝機能の異常を繰り返し指摘される、再検査や受診を勧められた場合は、医療機関で原因を確認することが大切です。黄疸がある、意識がもうろうとする、強い腹痛や嘔吐など急激な変化がある場合には速やかな医療相談が必要です。脂肪肝の食生活では、油や炭水化物を一律に禁止するのではなく、食事量、甘い飲み物、間食、飲酒などから自分に当てはまる部分を見直します。続けられる改善を積み重ねることが重要です。