健康診断の結果を日々の健康管理につなげる方法

2026/8/15

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

健康診断は現在の状態を確認する機会になる

健康診断を毎年受けていても、結果表を受け取った後は保管するだけになっていることがあります。健康診断は、病気の早期発見だけでなく、現在の身体の状態を確認し、必要に応じて生活習慣の改善や医療につなげる機会です。厚生労働省のe-ヘルスネットでは、健康診査について、疾病の早期発見や早期治療、健診結果に基づく栄養指導や運動指導などを通して健康増進につなげるものと説明しています。健診結果を見るときは、基準値から外れた項目があるかだけでなく、前回からどのように変化しているかにも目を向けましょう。ただし、数字が少し変化しただけで病気と判断することはできません。検査結果は年齢、治療中の病気なども含めて評価する必要があります。

判定結果と医療機関からの指示を先に確認する

健診結果には、異常なし、経過観察、再検査、精密検査、受診を勧める判定などが記載されることがあります。数値を自分で検索して判断する前に、まず健診機関から示された判定やコメントを確認しましょう。受診や再検査を勧められている場合は、症状がないからと長期間放置しないことが大切です。一方、基準範囲をわずかに外れているだけで、直ちに重大な病気を意味するわけでもありません。過去の結果、家族歴、喫煙、服用薬などと合わせて医療者が評価します。受診するときには今回の結果だけでなく、可能であれば過去数年分の結果を持参すると変化を確認しやすくなります。すでに通院中の場合は、健診結果を主治医へ見せることも役立ちます。

生活改善は一度に多く変えすぎない

血圧や血糖、脂質、体重などについて生活改善を勧められると、食事、運動、睡眠などを一度に変えようとすることがあります。しかし、目標が多すぎると継続が難しくなります。まずは、自分の生活で変えやすいものを一つか二つ選びましょう。例えば、移動の一部を歩く、外食で副菜を一品追加する、飲酒する日を見直すなど、具体的な行動にすると続けやすくなります。特定保健指導では、健診結果や生活状況に応じて、医師、保健師、管理栄養士などが生活習慣を見直す支援を行います。該当する場合はこうした機会を利用する方法もあります。病気の治療中で運動や食事について指示がある人は、一般的な健康情報より主治医の方針を優先してください。

前回との変化を確認して記録を残す

健康診断の結果は、一回の数字だけでなく経年的な変化を見ることで役立つ場合があります。体重が毎年少しずつ増えている、血圧が以前より高くなっているなど、変化の傾向に気づくことがあります。結果表は毎年同じ場所に保管するか、医療機関のアプリなど利用できる仕組みがあれば活用すると確認しやすくなります。ただし、自分で数値の変化を分析して治療の必要性まで判断することは避けましょう。健診には検査できる範囲があり、すべての病気を発見できるわけでもありません。結果が正常範囲でも、持続する痛みや息苦しさ、血便、急激な体重減少など気になる症状がある場合は、次の健康診断まで待たず医療機関へ相談することが大切です。

健診結果を受け取った後の行動までを健康管理に含める

健康診断は受けること自体が目的ではありません。結果を確認し、必要な再検査や受診につなげ、生活習慣を調整するところまでを一つの流れとして考えましょう。毎年大きな異常がない場合も、過去の結果と比較することで自分の健康状態を把握できます。一方、数値を良くすることだけを目標にして、食事を極端に減らしたり、体調が悪いのに激しい運動を始めたりすることは避けます。また、突然の胸痛、強い呼吸困難、意識障害、片側の手足の麻痺など急激な症状がある場合には、健康診断の結果にかかわらず速やかな医療対応が必要です。健診を日常の健康管理と結びつけ、自分に必要な行動を専門職と相談しながら続けることが大切です。

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