ビタミンB12とは 不足を防ぐための食事と確認のポイント

2026/9/15

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ビタミンB12は血液と神経に関わる栄養素

ビタミンB12は水溶性ビタミンの一つで、赤血球を正常に作ることや神経機能を維持することなどに関わっています。通常は魚介類、肉、卵、牛乳や乳製品などの食品から摂取します。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の男女についてビタミンB12の目安量を1日4.0μgとしています。
ビタミンB12の特徴は、食事から摂取していても、体の状態によっては十分に吸収できない場合があることです。胃や腸の働き、病気や手術歴などが吸収に影響することがあります。
また、動物性食品をほとんど摂らない食生活をしている人や、胃腸の状態に変化がある人などでは不足に注意が必要です。加齢に伴って胃の働きが変化することもあるため、高齢者も不足のリスクが高くなる場合があります。

魚や肉、卵、乳製品を組み合わせる

ビタミンB12は、一般的に動物性食品に含まれています。魚介類では貝類や魚類、肉類ではレバーなどに多く含まれますが、特定の食品を毎日食べ続ける必要はありません。
朝食に卵や乳製品、昼食に魚、夕食に肉や魚を取り入れるなど、さまざまな食品を組み合わせることで日常的に摂取できます。
食欲が落ちている、噛みにくい、調理の負担が大きいなどの理由から、肉や魚を食べる機会が減ることもあります。その場合は、魚、卵料理、ヨーグルトなど、食べやすい食品を取り入れる方法があります。
一方、菜食を中心とする食生活では、食事からのビタミンB12摂取量が少なくなる場合があります。動物性食品をほとんど摂らない食生活を続けている人は、必要に応じて医師や管理栄養士などに相談しましょう。

不足は食事量だけでは判断できない

ビタミンB12は、胃の中で食品から切り離された後、胃から分泌される物質などの働きを経て小腸から吸収されます。そのため、食事から十分な量を摂っていても、胃や小腸の状態によっては不足することがあります。
胃の手術を受けた人や、ビタミンB12の吸収に影響する病気がある人では、食事だけでは十分に補えない場合があります。また、一部の薬を長期間使用している場合にも、吸収へ影響する可能性があります。
年齢にかかわらず、こうした条件に当てはまる場合は、「魚や肉を増やせば解決する」とは限りません。必要に応じて血液検査などを行い、原因に応じた補充方法が検討されます。
治療中の病気がある人や薬を使用している人は、市販のビタミン剤やサプリメントを追加する前に、医師や薬剤師へ確認することが大切です。

貧血やしびれなどの症状が出ることがある

ビタミンB12が不足すると、巨赤芽球性貧血と呼ばれるタイプの貧血や、疲労感、舌の症状などがみられることがあります。また、神経機能にも関係するため、手足のしびれや感覚の異常などを伴うことがあります。
ただし、これらの症状はビタミンB12不足だけで起こるものではありません。手足のしびれには糖尿病、整形外科的な病気、神経疾患など、さまざまな原因があります。
疲れやすさについても、睡眠不足や貧血のほか、心臓、肺、甲状腺などの病気が関係していることがあります。症状だけから自己判断でビタミンB12不足と決めつけないことが重要です。
症状が続いている場合や日常生活に支障が出ている場合は、食生活を見直すだけでなく、医療機関で原因を確認しましょう。

サプリメントは不足の原因と合わせて考える

ビタミンB12は、サプリメントやビタミンB12を添加した食品から摂ることもできます。しかし、十分に摂取できている人がさらに多量に摂れば、疲れが取れる、記憶力が高まるといった効果が一律に得られるわけではありません。
すでに不足が確認されている場合は、その原因によって適した補充方法が異なります。食事からの摂取量が少ない場合と、胃腸から十分に吸収できない場合とでは、対応が同じとは限りません。
特に吸収障害がある場合は、通常の食品だけでは十分に補えないことがあります。サプリメントを利用するときも、製品や摂取量を自己判断で何度も変更するのではなく、必要性を医療者と確認することが望まれます。

食生活と身体の状態を合わせて確認する

ビタミンB12について考えるときは、一つの栄養素だけを見るのではなく、普段の食生活全体を確認することが大切です。魚、肉、卵、乳製品などをほとんど食べていない場合は、ビタミンB12だけでなく、ほかの栄養素も含めて食事の偏りがないか見直します。
一方、食事内容に大きな問題がなくても、胃腸の病気や手術歴、服薬などによって不足する場合があります。加齢に伴う胃腸機能の変化もその一つであり、高齢者では食事量と吸収の両面を確認することが重要です。
貧血を指摘された、手足の感覚がおかしい、歩きにくさがあるなどの変化が続く場合は、年齢にかかわらず医療機関へ相談してください。
また、突然片側の手足が動かなくなった、ろれつが回らない、急に意識状態が変化したといった症状がある場合は、栄養不足として様子を見るのではなく、速やかな医療対応が必要です。
ビタミンB12は日常の食品から摂取できる栄養素です。ただし、食生活だけでなく、胃腸の状態や病気、服薬なども不足に関係します。年齢だけで判断せず、自分の食事内容と身体の状態を合わせて確認することが大切です。

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