記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/5/10 記事改定日: 2018/3/23
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
「安定期まで無理はしないようにね」
・・・というように、妊婦さんは特に「安定期」という言葉をよく耳にすると思いますが、安定期とはどのような時期を指すのでしょうか?
この記事では、そんな安定期の特徴や赤ちゃんやママの変化をお伝えしていきます。
通常、安定期は妊娠5ヶ月~7ヶ月、妊娠周期でいうと妊娠16週~27週までの妊娠中期を指すことが多いです。
安定期はつわりが落ち着いたり流産のリスク(※流産のほとんどは安定期に入る前に起きます)が低くなったりする時期なので、妊娠初期や後期と比べて最も楽な時期だと感じる妊婦さんも多いようです。
ただし、安定期と呼ばれる時期に入ってもつわりが治まらない妊婦さんもいます。安定期の症状はあくまでも目安として捉えるようにしましょう。
個人差はありますが、一般的に安定期に入ると下記のような変化がみられるママが多いようです。
安定期に入るとつわりなどの妊娠初期症状が落ち着いてきて、今まであった食べられないものが食べられるようになること多いです。
(※つわりに関しては妊娠中を通じて全くない人もいれば出産直前まであったという人もいるなど個人差があります)
また、今まで高かった基礎体温も徐々に下がって体のだるさや疲労も落ち着き、体調が改善したり気分が安定するという妊婦さんが増える傾向があります。
安定期には徐々にお腹が膨らんできて、妊娠しているということが実感しやすく、他の人から見てもわかりやすくなります。
一般的に、妊娠5ヶ月になると子宮の大きさは大人の頭の大きさくらいになっているといわれています。
安定期に入ると、胎動(赤ちゃんがお腹の中で動いている動き)を感じ始めるようになります。
これまでは、健診でエコーを見るまでは赤ちゃんの様子がわからなかったと思いますが、胎動が感じられるようになると赤ちゃんが自分のお腹の中で元気に動いているのがわかるので、より赤ちゃんの存在をはっきりと感じることができます。
このころに感じる胎動はお腹の中でポコポコ空気が出ているような感触のため気づかないこともあるようですが、胎動は赤ちゃんが成長するにつれてどんどん力強くなっていきます。
安定期に入ってつわりの症状が軽くなると、食欲が出てくることが多いようです。
食べ物を食べられるようになるのは良いことですが、食べ過ぎで急激に体重が増加すると、赤ちゃんの体重が増えすぎて難産になるリスクが高まります。
急な体重増加は妊婦さんにとっても、妊娠線ができやすくなる、妊娠糖尿病になるリスクが高くなるなどのデメリットがあります。
安定期に入っても、引き続き体重管理をきちんと行うようにしましょう。
この他にも、赤ちゃんの成長や羊水の増加で子宮が大きくなることで腰痛や便秘に悩まされる妊婦さんが増える傾向があるので注意が必要です。
妊娠安定期に入ると、お腹の赤ちゃんにも以下のような変化が訪れます。
妊娠安定期に入ったころには、子宮の中で胎盤が完成していることが多いです。
胎盤は無数の血管が集まってできており、赤ちゃんに必要な酸素や栄養を送り届けたり、赤ちゃんからの二酸化炭素や老廃物を排出したりする役割を担っています。
安定期に入る中期以降になると胎盤も大きくなって赤ちゃんが成長する環境が整うので、これに合わせるように赤ちゃんも成長していきます。
妊娠5ヶ月になると赤ちゃんの生殖器も徐々に形成されるので、早ければ健診の時に医師から性別を教えてもらえることがあります。早く知りたい方は、聞いてみるといいかもしれませんね。
妊娠6ヶ月以降になると、体の形成に必要な器官はほぼすべてできあがっているため、赤ちゃんがお腹の中で手を握ったり大きく伸びをしたりなどといった複雑な動きをするようになっているかもしれません。また、赤ちゃんの五感も発達していくので、外からの刺激に頻繁に反応するようになります。
安定期はつわりが軽くなったり流産のリスクが低くなったりと体も気持ちも楽になりやすい時期です。
ですが、安定期でも流産や早産のリスクがゼロになるわけではありませんし、急激な体重増加や腰痛や便秘などが起こりやすい時期でもあります。
この時期にできることや気をつけなければならない事をよく知って、自分の体調と相談しながら出産に向けて過ごすようにしましょう。