記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/5/18
記事監修医師
前田 裕斗 先生
女性にとって、便秘は美容や健康の面からも大敵! お肌の状態にも影響します。だからといって、薬にばかり頼っていては、体の排便する力が弱ってしまいます。まずは、毎日の運動と食生活を改善することで、かなり効果があるといわれています。
ここでは、便秘の原因やリスク要因、対策をまとめました。
慢性的な便秘のリスク要因には、
・高齢者
・女性
・食物繊維の摂取量がすくない
・運動習慣がほとんど、または全くない
などが挙げられます。
これらの中で、毎日の習慣でできることは、運動と食物繊維の摂取です。
便秘の改善方法について、以下でいくつかご紹介します。
便秘対策としての食生活の改善方法を、以下に挙げます。
・1日を通して頻繁に水分を摂りましょう
・食物繊維をたくさん摂りましょう(1日あたり30g程度摂取することが推奨されています。果実、野菜、シリアル等は繊維を豊富に含んでいます)
・野菜や果物をたくさん食べましょう
毎日運動をすることで、便秘を防ぐことができます。1日の中で、歩いたり階段を上り下りしたりなどスグにできる運動を取り入れましょう。
1日の中で具体的な時間を決めてその時間は必ずトイレに行く習慣をつけると、規則的な便通が期待できます。
例えば、朝食の15~45分後にトイレに行く習慣をつけたら、徐々に決まった時間に便通が来るようになったという人もいます。
また、食べることで、腸の中で便が動きやすくなります。便通が来るように、なるべく時間をかけて食べるようにしましょう。もちろん、便意をもよおしたらすぐにトイレに行く事も大事です。
生活の改善を試みてもまだ便秘の場合、医師の診察を受けることも良いでしょう。
医師は、あなたに合った便秘薬をすすめてくれるはずです。
逆に、長期的に、便秘を引き起こす可能性のある市販の薬や処方薬を飲んでいる場合は、服用を中止するか、別の薬に変えるようにすすめられるかもしれません。
市販の便秘薬を長いこと服用していて、便秘薬を飲まないと排便がない場合、徐々に服用を減らしながら便秘を改善できないか、医師と相談しましょう。医師は、便秘の合併症を治療することもできますし、セルフケアに関する説明をすることもできます。
痔、裂肛、宿便などの便秘の合併症は、それぞれに異なる治療法があります。
痔は、以下のような方法で自宅で治療することができます。
・便秘を防ぐために食生活を改善し、運動習慣をつける
・湯船に浸かる
・就寝前に、患部に市販の痔に効くクリームを塗るか、座薬を注入する
自宅でケアして効果が見られなければ、医師に相談しましょう。
裂肛は、以下のような方法で自宅で治療することができます。
・便秘を防ぐために食生活を改善し、運動習慣をつける
・痛みを抑えたり筋肉を和らげるために市販の痔に効くクリームを患部に塗る
・便を柔らかくするための薬を服用する
・湯船に浸かる
自宅でのケアでは改善されない場合は、裂肛を治療するための手術をすすめられることもあります。
ここでいう宿便は、ダイエット法などで広く言われるような「腸管壁にこびりついた便」のことではありません。むしろ、S状結腸や直腸を中心に排便しきれず塊として滞留している便のことを指します。この宿便はミネラルオイルを摂取するか、浣腸で柔らかくすることが可能です。便を柔らかくした後は、医師がグローブをはめて、潤滑油を塗った状態で、肛門から指を1本か2本入れて、硬くなった便の一部を取り除きます。
今まで見てきたように、慢性の便秘を解消するには、やはり運動習慣をつけ、食生活を改善することが大切です。庭仕事や掃除などの家事や散歩も軽い運動になります。
今スグできる運動を取り入れて、憂鬱な便秘とサヨナラしましょう。