記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
ダイエットにはいろいろな方法がありますね。中でも、炭水化物をあまり摂らない低炭水化物ダイエットは、実行している方も多く、人気のダイエットとなっています。
この記事では、低炭水化物ダイエットの1つであるケトジェニックダイエットについてまとめてみました。
「ケトジェニック」は、低炭水化物ダイエットの1つです。このダイエットの考え方は、タンパク質と脂肪からカロリーをたくさん摂り、炭水化物から摂るカロリーを少なくするということです。
1日に50グラム以下の炭水化物の摂取量にすると、最終的に体には使える血糖がなくなるといわれています。通常、なくなるまでには3〜4日かかるとされています。その後に体は、エネルギー源として、タンパク質と脂肪を分解し始めます。その結果、体が脂肪を使って活動することになるため体脂肪や体重をうまく減らすことができるのです。
このダイエットを実践する人のほとんどは、体重を減らす事を目的にしています。一部の人は、てんかんなどの特定の病状の管理のために行っている人もいます。また、心臓病や特定の脳疾患、さらには座瘡を患っている人にも効果をもたらす可能性もありますが、さらに研究が必要だとされています。
まずは、ケトジェニックダイエットを試すことが自分にとって安全かどうか知ることが大事です。特に1型糖尿病がある場合は、医師に相談してください。
ケトジェニックダイエットは、最初の3〜6か月において、他のダイエット法よりも体重を減らす効果があるとされています。理由は、脂肪をエネルギーに変える方が、炭水化物をエネルギーに変えるよりも、多くのカロリーが必要だからです。
また、高脂肪・高タンパクの食生活をすると、よりお腹が満たされるようになり、最終的に食べる量が少なくなる可能性もありますが、まだそこまでは実証はされていません。
体重が減る以外にも下記で述べたような効果があるとされています。
インスリンは体内に、糖分を燃料として使用または貯蔵させるホルモンです。ケトジェニックダイエットはこの燃料をすばやく燃やすため、体内に保存する必要がなくなります。このことは、体がインスリンを必要とする、または生成する量が少なくなるということです。インスリンのレベルが低いと、いくつかの種類のがんのリスクを減らし、またはがん細胞の増殖を遅らせるのにも効果的です。
ただし、このことに関してもさらなる研究が必要だとされています。
炭水化物はにきび肌の状態にも関係しているため、炭水化物を少なくすることで、にきびを減らす効果もあります。ケトジェニックダイエットによるインスリンの低下は、にきびの発症を防ぐのにも役立ちます
低炭水化物ダイエットで、他のダイエットよりも血糖を低く抑えることができます。
しかし一方で、体がエネルギーとして脂肪を燃焼すると、ケトンと呼ばれる化合物が生成されます。糖尿病、特にタイプ1の場合、血中のケトンが多すぎると病気になることがあります。ですから、食生活の変化について医師と協力することが非常に重要です。
ケトジェニックダイエットは、1920年代からてんかんによる発作を制御するために用いられてきました。しかし、自分にとって何をするのが正しいのかを理解するために、医師のサポートを受けることが重要です。
ケトジェニックダイエットは、脳と脊柱だけでなく、それらを結びつける神経にも影響します。てんかんは1つの症状にすぎませんが、アルツハイマー病、パーキンソン病および睡眠障害にも、ケトジェニックダイエットが効果的とされています。
多囊胞性卵巣症候群は、女性の卵巣にのう胞と呼ばれるものが複数生じて、月経異常や不妊が起きる病気です。肥満や糖の代謝と関係していることが分かっています。肥満がある場合、減量することで症状が改善し、妊娠率も上がります。
ダイエットの方法の一つの手段として、ケトジェニックダイエットを取り入れるのも良いでしょう。
ケトジェニックダイエットは、運動習慣のあるアスリートにとっても効果的です。時間とともに、筋肉に対する脂肪の比率が上がり、激しい運動をしているときに体が使用できる酸素の量が増えます。しかし、それはトレーニングとしては役立つかもしれませんが、パフォーマンスを最大限に高めるという面では、他の食生活のようには機能しないかもしれません。
一般的な副作用は、通常深刻なものであはりません。便秘、軽度の低血糖、消化不良があるかもしれません。非常に少ない確率で、腎臓結石または体内中の高レベルの酸(アシドーシス)につながる可能性があります。
体が蓄積している脂肪を燃やす際、腎臓に負担がかかる可能性があります。ケトジェニックダイエットを開始したり、その後通常の食事に戻したりすることは、糖尿病、心臓病、または高血圧のような健康上の問題があり、肥満の場合は厄介です。これらの状態のいずれかを持っている場合、医師の指導を受けてダイエットの変更を行います。
今まで見てきたように、炭水化物をあまり摂らなくなることには、さまざまな効果もあります。しかしケトジェニックダイエットには全くリスクがないわけではありません。何か持病を抱えているひとは、ケトジェニックダイエットを始める前にかかりつけ医に相談しましょう。
↓ 合わせてコチラもどうぞ ↓
ケトン食(ケトジェニックダイエット)が末期がんを救う:最新の研究結果