何を考えているのかわからない!思春期の子供への対処法は?

2017/8/18

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

心も体も不安定な時期である「思春期」。自分の子供であっても親にとってストレスとなることが増える時期です。
親になれば誰しも避けて通れない、子供の思春期の変化、そして、思春期の行動に、どのように対処すればいいでしょうか?

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普通のことであると知っておく


「親は世界で最も過酷な仕事」と言われます。子供が思春期になったとき、そう感じる人も多いのではないでしょうか。

親を困惑させ、ストレスをあたえ、傷つけ、心配させる。しかし、すべてが大人になるための自然な過程であり、成長のために必要なことです。
ホルモンの急激な上昇に伴う身体の変化、自己との葛藤、周りとの比較、自立心の芽生えで混乱し、どうしようもなくなる時期こそが、思春期です。

どこかよそよそしくなり、一人になりたがり、そして友人と居たがるようになり、親や先生は理解してくれないと感じたり、親の愛情表現を拒否したり、不機嫌だったり、暗くなったりします。

キャラクターの変化は自然なことなので、必要以上に傷つき、心配することはありません。

いろいろな対処法


思春期の子供と腹を割って話すのはかなり困難なことかもしれません。何が子供をいら立たせるのか、心を開かせるために、以下のヒントがあります。

自分の中で決めつけない

彼らがしていることには正当な理由があると考えましょう。知性を尊重し、興味があることを示してください。「愚か」や「間違っている」と決めつけなければ、なぜそうしているか話してくれるようになるかもしれません。

「何かあった」と決めつけないことも大切です。「いじめられているの?」ではなく、「心配してる。いつもと違う。何が起こっているの?」と聞いてみましょう。

助けになりたいことを明らかにする

タバコを吸っていたり、アルコールを過剰に飲んでいると思ったら、穏やかに「子供の役に立ちたいこと」を伝えましょう。

自分自身が誠実になる

親がお酒を飲んでいれば、「アルコールはダメ」と言っても、子供は、「人のことが言えるか!」と親を非難します。発言には責任が伴います。

自分自身で考える手助けをする

子供の人生における監督になろうとするのではなく、自分で考えさせ、自立を助けてください。
・今とっている行動が、今後悪影響が出る可能性について考えさせましょう。
・困難があっても必ず対処できると勇気付けてあげましょう。子供に、得意なことや好きなことを思い出させてください。もし今うまくいってないとしても、他の分野で何か得意なことがないか考えることで、自信がつくかもしれません。
・薬物、性、喫煙の害がわかるサイトを紹介し、確かな情報をあたえましょう。事実を知った後で、どうするか決める手助けをします。

細かい問題にこだわらない

小言ばかり聞かされると、子供はもう話を聞かなくなります。服のような軽微な問題は見過ごすことで、薬物やセックスのような大きな問題に対して話ができ、断固とした態度が取れます。

感情表現がヘタなことを理解する

子供は、嫌いだからではなく、不安定だから、最も愛する人、信頼している人にきつくあたります。情緒不安定や怒り、生理でそうなってしまうのです。ひどいことを言っているとは思わないでください。感情表現の仕方がわからないのです。

安全を感じさせる

子供は、大人に話すと状況が悪くなると思いこんでいます。助けになりたいと思っていること、子供が望まないことはしないことをしっかりと伝えるようにしましょう。いじめの場合は特に重要です。いじめのことを打ち明けられたら、しっかりと耳を傾け、許容できることではないこと、子供のせいではないこと、一緒に問題に立ち向かうことを伝え、子供との信頼関係をつくってください。

答えづらい質問は避ける

質問の仕方を変えれば、子供についてもっと知ることができます。
摂食障害を抱えている場合、「昼食は何を食べた?」「病気になった?」というような直接的な質問に答えは返ってきません。
「気分はどう?」「最近、調子はどう?」といった寛容的な聞き方をすることで、子供が自分の気持ちを話しやすくなるかもしれません。

おわりに:あなた自身の心のケアにも注意を払ってください

思春期の子供との付き合い方は、親にとって大きな問題のひとつです。
まして、他の子供や仕事、人間関係、家族への義務、病気など、他にもいろいろな人生における問題を抱えていますから、崖っぷちに追いつめられる気持ちにもなることでしょう。

自分自身の心のケアも忘れないようにしてください。やりきれない時は、友人やパートナー、家族、または専門のカウンセラーに話してみましょう。

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