記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/6/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
カミングアウトとは、LGBT(ゲイ、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダー)の人が自らの性的指向を周りの人に伝えることです。 カミングアウトは難しいものであり、自分の性的指向を知ったら周りの人は前とは接し方を変えてしまうのではないかと心配するかもしれません。今回は、LGBTのカミングアウトについて解説します。
カミングアウトの第一歩は、自分の性的指向の真実を自分自身が認めることです。
もし自分がゲイやレズビアン、バイセクシャルかどうかわからないという場合は、信頼している人に自分の気持ちについて相談することで、自分の性的指向に気づけるかもしれませんね。
ただ、自分がゲイやレズビアン、バイセクシャルだと認めることは、簡単なことではないと思います。同性愛者であることを間違っていると思っている人もいるかもしれませんし、他の人に知られたら暴行されたり、いじめられたりしないかと不安に思っている人もいるでしょう。
ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルは決して異常なことではありませんが、これを理解していない人がいることも事実です。
最初は、あなたが信頼する人、協力的で理解のある人にカミングアウトするのが賢明といえるのではないでしょうか。 自分の性的指向について気持ちの整理がつく前にほかの人に知られたくないと思ったら、秘密にしておいてくれるようカミングアウトする相手にお願いしましょう。
初めてカミングアウトする相手は、親しい友人や親戚、未成年の場合は教師などの「本当に信頼できる大人」になるかもしれませんね。誰にカミングアウトするか非常に悩ましい問題ですが、自分自身で決めましょう。
大きな隠し事がなくなるわけですから、カミングアウトは間違いなくその人の人生を変えるでしょう。「自分が思っていることを周りにオープンにできるようになってほっとした」という人は多いみたいです。
カミングアウトすることで、問題が起こることもあります。友人や家族も含めて、ホモフォビア(ゲイやレズビアン、バイセクシャルに偏見がある人)がいる可能性はゼロではありません。ホモフォビアの人は、LGBTの人を怒らせたり、動揺させたり、怖がらせたりするかもしれませんし、差別してくる可能性もあります。
大事なことは、本当に信頼できる人だけにカミングアウトすることです。信頼できる人が味方にいることは非常に心強いことですし、何か悩みがあるときも素直に相談できるようになるでしょう。
カミングアウトとは、自分がどう感じているかについて正直になり、自分の人生の大事な部分を隠したままにはできないという姿勢を表すものなのです。カミングアウトすることに怖さを感じて当然ですが、これは当人にとって非常に大事なことだといえるでしょう。
ただし、自分の性的指向について自分自身がどのように感じているのかわからない場合は、急いでカミングアウトする必要はありません。カミングアウトは個々の決定によるのであり、自分の望むやり方で、自分が良いと思ったタイミングにすることが重要になります。