記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/8/21
記事監修医師
前田 裕斗 先生
子供が欲しいカップルにとって、いつ性交渉をすれば妊娠する可能性が高まるのかは大きな問題ですよね。
ここでは、自然妊娠の可能性を高めるために、どのような方法があるのかをご紹介します。
月経周期の間に起こった体の変化を(体温などで)記録していくことは、妊娠を考えている夫婦が性交渉をいつ行うかを計画することに役立ちます。
月経周期の間に女性の卵巣が卵子を放出することを排卵といいます。卵子は、受精が起こる卵管を通して子宮に向かって動きます。未受精の卵子は最大12時間生存し、受精しなかった卵子は月経中に体外に排出されます。性交渉が排卵の直前または直後に行われた場合、女性は妊娠する可能性が高まります。
現在、自然な妊娠のためには2つの方法が提唱されています。一つは、粘液法(または排卵法)です。
この方法は、子宮頸管粘液をチェックすることで、排卵の直前および排卵直後の日程を予測します。
女性が妊娠する可能性が高いとされる状態は、子宮頸管粘液に粘りがあり、透明で滑らかな場合です。粘液は調理されていない卵白のようにも見えます。
第2の方法は、徴候体温法と呼ばれます。 女性は毎日基礎体温計で体温を測定し、それをチャートに記録します。排卵時は女性の体温がわずかに上昇します。
また、粘液法と同様に子宮頸管粘液の粘稠度をチェックし、卵巣の痛み、鼓脹、腰痛、乳房の過敏性などの変化が起こる場合もあるので、確認しましょう。
どちらの方法も、女性の体の変化を追跡するためにグラフを使用します。
また、これらは夫婦が専門家から訓練を受け、正しく実践した場合、避妊にも活用できます。しかし、一般の方が粘液の変化や体温の微細な変化から正しい排卵日を推定することは難しく、避妊法として利用するのはあまりお勧めはできません。コンドームやピルといった他の避妊法を必ず活用してください。
これらの方法はあくまで妊娠の確率を上げる方法と捉え、避妊法として捉えないことが大切です。
リズム法は、一般的な月経周期から考えて、最終月経からの日にちで排卵日を推定する方法です。月経周期が普段から整で乱れない人にとっては有効な場合もありますが、月経周期というのはその時々の体調で微妙に変化することがよくありますから、必ずしも信頼の置ける方法とは言えません。もちろん、避妊法としての確実性はないものと思っておくのが無難です。
月経周期が不規則(28日以上またはそれ以下)な女性も多いですが、不規則な月経周期を有する女性も、基礎体温の計測や粘液法を行うことで自身が排卵しているかどうかを見極めることができます。また、排卵日の推定についても慣れてくれば行うことができるようになるでしょう。
妊娠というのは、性交渉と排卵の時期、年齢や体調など、多くの条件がかみ合った結果、可能となるものです。
それを自然の流れで実現させるには、パートナーとの家族計画に沿った協力体制も実は不可欠。二人で力を合わせて、自然妊娠を実現させましょう。