記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
この記事では、前回に続いて、腰痛や背中の痛みがツライ方のために、痛みを緩和する対策についてまとめています。
自分にとってどんな方法が痛みの緩和に役立つのか、いろいろ試してみましょう。
ここでは、腰痛や背中の痛みを緩和する対策をいくつか挙げます。
体の片側を下にして横向きに寝るのが最も一般的な姿勢です。膝の間に小さな枕を挟むことで背部を良い状態に保てます。背部を下にして寝なければならないときは、膝の下に枕をしいてみましょう。腹部を下にして寝るうつぶせ寝はやめましょう。背中の痛みをひどくしてしまいます。
余分な体重があることは、それだけ背部の筋肉の仕事が増えるということです。これは、特に脂肪などが腰周りについている場合に顕著に現れます。
重ければ重いほど、一歩一歩で背部にかかる負荷は大きくなるのです。
減量を行うことで、膝・尻の筋肉や関節を守ることができます。
ストレスは慢性の痛みを悪化させることがあります。鬱、心配、ストレス、怒り、といったネガティブな感情は、痛みに対する身体の感度を高くします。
ストレスをコントロールする術を知ることで、慢性的な痛みから解放されるでしょう。
ストレスを解消しリラックスするためのテクニックにはいくつかあります。
落ち着ける音楽を聴くと気分が向上し、慢性の痛みとが楽になります。
イメージ療法もあり、これを行うと精神的に逃避でき、内面的な平和を感じることができます。ここでは、落ち着く、和やかな情景を頭の中で想像します。
痛みの緩和のために、マッサージを受けましょう。マッサージは身体の緊張やストレスを解消するのに役立ちます。腰痛だけでなく、背中の痛みや首の痛みなども含めた全ての痛みに対応できます。
慢性の痛みを抱えているのなら、健康的な食生活を目指しましょう。
バランスの取れた健康的な食生活を送ることは、消化過程を助ける、心臓病のリスクを軽減する、体重を制御する、血糖値を改善する、など、様々な面で重要です。
低脂肪、低塩の食事を摂りたい場合は、次の食材から選びましょう。
新鮮な果物や野菜、調理され干された豆類、全粒群のパンやシリアル、低脂肪チーズ、牛乳、ヨーグルト、脂肪少なめの肉類です。
喫煙は控えましょう。慢性の痛みが悪化してしまいます。また、循環器系の問題を悪化させ、心臓病と癌のリスクを増大させます。
痛みの度合いと活動を毎日記録しましょう。
痛みを治療するためには、前回の診療から痛みがどの程度変化したか、といったことを医師に知らせる必要があります。1日の痛みゲージのようなものを日記等につけると、痛みの度合いの変容を追うことができます。1日の終わりに、痛みを1から10までの点数で表してみましょう。また、1日にどのような活動を行ったかも振り返りましょう。
この記録を診察日に持参することで、医師はあなたがどのように慢性の痛みとともに生活していて、どの程度体を動かしているかを知ることができます。
痛みを忘れるための方法を見つけ、日々の生活をもっと楽しみましょう。
痛みに感覚が集中しているときは、何もかもが悪い方向に働きます。
何か好きなこと(それをやっている間は集中できて、痛みを忘れることができるようなもの)を見つけましょう。
痛みを回避することはできないかもしれません。でも、痛みで生活の質を落とすことはなくなるかもしれません。
今までみてきたように、腰痛や背中の痛みの対策は自分しだいです。運動習慣をつけ、痛みを忘れる楽しみを見つければ、少しずつ痛みから解放されるでしょう。