記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/7/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
あなたの周りにも周囲とのコミュニケーションがひとりよがりで融通が利かなかったり、変人扱いされていたりする人がいるかもしれません。そういった人は、自閉症スペクトラム障害の可能性があります。
今回は、自閉症スペクトラム障害についてまとめました。症状を持っている人との上手なコミュニケーションの助けとしてください。
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、社会の中でのコミュニケーションや人への関心、および振る舞いに影響を及ぼす症状のことです。
ASDを抱えている子供の場合には、診断は3歳以降の年齢でなされることがある一方で、症状自体は3歳になる前の時点で既に現れています。
ASDには明確な治療方法は存在しませんが、スピーチ・セラピーやランゲージ・セラピー、職業セラピー、教育支援、加えてその他のさまざまなサービスを利用することで、本人や親にとっての手助けを得ることができます。
また、ASDを引き起こす原因は明確には分かっていません。複雑な遺伝的・環境的要因が複数影響していると考えられています。
子供がASDを患っている場合、幼少期に言葉やその他の音声を発しないことがあります。また、他の人と交流するために用いるノンバーバル(非言語的)な振る舞いをする際に問題を抱えてしまうケースもあります。
例えば、アイ・コンタクトや顔の表情での感情表現、ボディー・ランゲージ、ジェスチャーなどの面で、困難を伴うことがあります。この場合、子供はアイ・コンタクトをまったく、あるいはしたとしてもわずかな間しか行わず、面識があるかどうかに関わらず人を無視することもあります。
そのほか、他人の感情や気持ちを理解するのに困難を伴い、人との会話を始めたり、また会話に参加したりすることが適切にできないこともあります。言語面での発達も遅れる可能性があり、またASDを患う子供には、自身の言語不足または言語スキルの遅れを、ボディー・ランゲージなどのジェスチャーや表情での感情表現を用いて補おうとしない傾向が見られます。
ASDを抱えている子供の場合、他の人が発する言葉やフレーズを(その場で、あるいは後になって)自分の言葉に編成し直すことなくそのまま繰り返したり、他の人の言語スキルにそのまま準じる傾向があります。また、他の子供が頻繁にごっこ遊びを行うのに対し、同様の想像力豊かな遊び、ごっこ遊びをするそぶりを見せないこともあります。
そのほか、ASDの子供には同じ行動パターンをひたすらに続けようとする傾向も見られます。
ASDの患者には、子供のときにその特徴が現れているケースもありますが、一方で、ASDと診断されることのないまま大人になるケースも見られます。
しかしながら、大人になってからでも診断を受けることで、ASDと診断される人自身やその人の家族にとって、状況を理解し、どのような種類のアドバイスやサポートが必要であるかを明確にできることもあるのです。
例えば、自閉症を専門とする数多くのサービスを利用することが可能となります。これらのサービスは、ASDと診断された成人に対し、独立した生活を営み、その人自身の能力やスキルに適した仕事を見つけることができるよう、サポートを提供してくれます。
もし、今現在、あなたが自閉症の人の面倒をみている人であるなら、あなた自身の精神面や身体面でのエネルギーに影響が出てしまうことがありますから、自分の心身の健康も大切にすることを忘れないでください。
また、できるだけ多くのサポートを受けることも大切です。それが、あなたとあなたが面倒を見ている人にとって最も良いことなのです。