記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/15
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
「家にいるダニだからイエダニ?」
半分正解、半分ハズレです。
衛生状態が良くなかった時代、日本の家屋には、ネズミが、ごく普通に住み着いていました。
ネズミには、体毛に寄生し吸血して栄養を得る「ダニ」がセットで存在し、
このダニは、人にも、けっこうな被害をあたえるため、“イエダニ”という名前になりました。
「今は、コンクリート住宅だから大丈夫!」と言いたいところですが、ネズミが絶滅したわけでもないので、当然、イエダニもまだ生息しています。
基本的にはネズミに寄生するんですが、別の寄生先として人を選ぶこともあります。
というわけで、現代でも家のなかには、そこらじゅうにイエダニがいます。
人の肌を刺して、吸血しているのです。
じゃあ、どうすればいいの、イエダニ?
イエダニのことを学んでいきましょう。
イエダニは、蚊のように1回刺せばOKというわけではなく、しつこく何度も何度も刺します。刺された場合、数日後、激しいかゆみが出て、時には水ぶくれのように腫れあがります。
とても我慢できるかゆさではなく、かきむしらざるをえなくなるのです。
イエダニは、体長が約0.6~1mmの長卵型でダニの中では大きいほうの部類に入り、肉眼でも確認することができます。
イエダニは、ペットや人のふけを食べ、その排泄物が、アレルギーや喘息を引き起こします。
ダニアレルギーの症状には、くしゃみ、鼻水、かゆみ、鼻づまりなどがあり、喘息患者の場合は、イエダニが原因で喘鳴が増し、より多量の喘息薬が必要になります。
家族の構成員がアレルギーまたは喘息持ちの場合、家庭のイエダニの数を減らすのは必須事項になります。
イエダニは、
・暖かい
・湿気が多い
・埃がたまっている
場所にいます。枕、マットレス、カーペット、家具が、特に好む場所になります。
イエダニのほとんどはマットレスにいます。まず、マットレスを防塵カバーで覆いましょう。
シーツと毛布は毎週洗濯し、枕も、毎週洗うか、防塵カバーをつけます(枕カバーは防塵カバーの上に被せる)。シーツや毛布を洗濯する際に使用する水の温度は55℃〜60℃が理想的で、可能であれば、クリーニング店に出すのがベストです。 イエダニは、カーペットで急速に成長するので、寝室には使わないほうがいいです。 やむを得ずカーペットを使用する場合は、コンクリートの上に敷かないでください。敷物とコンクリートの間の暖かい空間がダニの生息に適しているためです。
以上の場所をきれいにすると、家にいるイエダニの数は格段の違いが出ます。
カーペットや室内の装飾品を毎週掃除することが効果的です。高効率フィルタを備えた掃除機は、より多くのイエダニを吸いますが、標準的な掃除機でも十分です。
また、イエダニは暖かく湿気の多い場所を好むので、除湿器を使用し、家の中の湿度を低く保つようにします。空気清浄機などのフィルターも空気中のダニを減らすのに役立ちます。 ほこりがたまりやすい場所の表面は、湿らせた布やラグで拭くようにします。 子どもがアレルギー体質の場合、ぬいぐるみは洗濯機できるものにしてください。
市販薬や処方箋のアレルギー薬は、イエダニによるアレルギー症状をコントロールするのに有効です。
イエダニによって喘息症状が悪化している、或いは通常よりも多量の喘息薬を服用している場合は、必ず医師に相談してください。
人の血を吸う、白い体が、赤黒くなるという特徴を持つイエダニ。
柔らかい部分ばかりを狙って刺してくるので、お腹や太もも、二の腕などがターゲットになります。あまりのかゆみにかきむしれば、傷口が出来て、細菌が他の部位に飛び火して拡大という悪循環。
刺されたかもと思ったら、市販の軟膏などを患部に塗布してかゆみや皮膚の炎症を抑えるようにしましょう。