記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/8/6
記事監修医師
前田 裕斗 先生
肺炎は、赤ちゃんや子供、 高齢者、喫煙者がかかるリスクの高い病気です。また、肺炎は、致命的な合併症を引き起こすこともあるので、注意が必要です。今回の記事では、肺炎を予防するための方法を解説します。
日常生活のなかで肺炎を予防するには、次のようなことに気をつかいましょう。
細菌を殺すために、石鹸と水や、擦式アルコール製剤を使って手を洗いましょう。
十分に休息をとり、適度な運動とバランスのよい食生活を取り入れるように心がけましょう。健康的な生活を送ることで免疫が高まり、肺炎の感染しにくくなるでしょう。
喫煙は肺の機能低下につながります。肺の、特に病原体を排出する機能を禁煙して休ませることによって、肺炎にかかるリスクを下げる効果が期待できます。
上記で説明したように、日常の生活習慣を見直すことは免疫システムを強くすることに役立つため、肺炎予防につながります。しかし、肺炎は、深刻な症状になることも多く、重度の場合は命にまでかかわることもあります。より確かな肺炎予防のためには、肺炎ワクチンの接種が有効といえるでしょう。
肺炎球菌による肺炎はワクチンで予防できます。また、ワクチンですべての肺炎を予防できるわけではありませんが、予防接種を受けた人は受けていない人に比べ、肺炎にかかっても下記のように軽い症状で済むケースが多くなるといわれています。
・感染が弱い
・肺炎が長く続かない
・深刻な合併症が少ない
肺炎球菌性肺炎や菌血症、髄膜炎など、重篤な症状に陥る可能性がある合併症を予防するためのワクチンには、2種類あります。肺炎球菌ワクチンは、特に次のような場合に重要です。
・65歳以上の高齢者
・(まだ継続している)持病、深刻な長期の健康問題、または、弱った免疫システムを持っている人。例えば、がん、HIVウイルスによるエイズ、喘息、鎌状赤血球病、または脾臓が損傷を受けていたり、除去している人がこれに含まれる可能性があります。
・喫煙する人
・5歳以下の子供
・心臓病や肺病、がんなどの、特定の病気を持った5歳以上の子供。
インフルエンザにかかった後に肺炎になる人は多いため、毎年インフルエンザ・ワクチンを受けることも、肺炎にかからないための予防策となります。インフルエンザ・ワクチンはたいてい、インフルエンザが最も頻繁に流行する数ヶ月間の前の9月から11月の間に接種するといいでしょう。
ヘモフィラス・インフルエンザ菌タイプB( Haemophilus influenzae Type b: Hib)は、肺炎や髄膜炎を引き起こす細菌の一種です。これらの感染症を予防するために、生後2ヶ月から、幼児にヒブワクチンは接種されます。
手術を受けた後に肺炎にかかると、深刻な状態に陥る場合があります。院内感染による肺炎は、命に関わるケースもあるたっめ注意が必要です。以下の方法で病院での肺炎リスクを減らすことができます。
誤嚥とは、本来は咽頭から食道に入っていく食べ物などが、誤って喉頭や気管・肺に入ってしまうことです。全身麻酔下の手術の場合、胃の中に食べ物が残っていると、胃の内容物が逆流し、肺や気管に入る可能性があります。これは、誤嚥性肺炎の原因になります。手術の前に、食べたり飲んだりしないように医師から指示された場合は、必ず指示に従いましょう。
肺炎は、細菌や一部のウイルスにより引き起こされます。そのため、入院中の患者に感染させないためには、身の回りにいる人の手洗いを徹底させることが重要です。医師や看護師はもちろん、家族や友人など院内にいる人すべてが手洗いを徹底するようにしましょう。
肺炎の予防は、まず日常からです。また、高齢者や子供を対象としたワクチンを使用したり、病院での感染を予防することも重要です。今回の記事を参考に肺炎のリスクを減らしましょう。