喘息とは ~ 症状・原因・治療方法を解説 ~

2017/7/27

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

喘息は、一度発症すると生涯付き合っていくことになりかねない病気です。では、喘息は治療で完治することができるのでしょうか? 今回は、喘息の症状や原因、治療方法について解説します。

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喘息とは

気管支喘息(以下、喘息)とは、気道が狭くなることで症状が発生する慢性的な呼吸器疾患です。 喘息はすべての年齢の人々に発生する可能性があり、しばしば小児期に始まりますが、成人になって初めて症状があらわれることもあります。子供の中には最終的に喘息の症状が表れなくなることもありますが、その後再発するケースも多く、生涯にわたり喘息の症状に悩まされることになります。

喘息の症状

喘息の主な症状は次のとおりです。
・喘鳴(呼吸時の笛のような音)
・息切れ
・胸部の圧迫感、苦しさ
・咳
症状の重篤度は人によって異なり、一時的に悪化することもあります。

再発の可能性

成人期に初めて喘息を発症した場合、長期的に続くケースが多くみられます。子供や、10代の頃に喘息が消えたり改善されたりするケースもありますが、後に再症することも少なくありません。

喘息による合併症

喘息を管理下に置くことは可能です。しかし、それでも多くの合併症を引き起こす可能性のある重篤な疾患といえます。 そのため、喘息の人は常に治療計画に従う事がとても重要です。うまく喘息をコントロールできない場合は、次のような問題を引き起こす可能性があります。
・持続的な疲れ
・呼吸機能の低下、およびそれに伴って生じる肺炎などの呼吸器疾患
・ストレス、不安、うつ病を含む心理的問題
・小児の場合、成長または思春期の遅れ、重度の喘息発作など、生命を脅かす合併症のリスク

喘息の原因

喘息は、肺に空気を運ぶ細い気道の炎症によって引き起こされます。 この炎症は気道を非常に敏感にして、気道が一時的に狭くなり喘息症状を引き起こします。この状態は、ランダムに、または刺激物に曝された後に発生する可能性があり、さらに気道は粘着性の粘液により狭められることもあります。 一般的な喘息トリガーには以下のものがあります。
・ハウスダスト、ダニ、動物毛、花粉などのアレルゲン
・タバコの煙、強いにおい、ガスなどのその他の刺激物質
・冷気
・運動
・急性上気道炎(いわゆる風邪)や呼吸器感染症
喘息を発症する理由が完全に解明されたわけではありませんが、親族に喘息患者がいる場合、喘息を発生する可能性が高いといわれています。

喘息の診断方法

子供が喘息と思われる症状を発症した場合は、必ず医師の診断を受けましょう。 慢性閉塞性肺疾患など、喘息と似た症状を引き起こす疾患との判別のために適切な診断が必要です。病院では、症状の問診と、いくつかの簡単な呼吸検査によって喘息を診断します。 乳児や幼児のように呼吸検査が難しい場合は、症状と吸入器による治療の効果に基づいて診断を行うでしょう。

喘息の治療方法

現在のところ、喘息のを完治させる方法はありませんが、症状をコントロールする方法はあります。喘息のコントロールは、吸入器を使用が中心になります。吸入器とは、呼吸する際にスプレーまたは粉末薬を気道まで運ぶ小型のデバイスです。 使用する吸入器は、以下の2つがあります。

発作治療薬(リリーバー)

発作が起きた時に短時間で喘息症状を緩和する必要があるときに使用する吸入器

長期管理薬(コントローラー)

定期的に毎日使用される吸入器。気道内の炎症を軽減することで、喘息症状の発症を予防します。 治療では通常、行動計画を作成します。これには、喘息を持つ人の薬剤に関する情報、喘息管理の方法、および喘息発作が起きたときの対処方法が記されています。

おわりに:喘息を管理し喘息と付き合う

現在のところ、喘息を完治させることはできません。喘息の症状が落ち着いていても人であっても、再発する可能性があります。 しかし、症状をやわらげることは可能です。喘息を患っている場合は、医師および他の医療提供者と協力しながら、正しく管理するようにしましょう

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