もはや我慢の限界? ストレスの効果的な対処法をご紹介!

2017/7/26

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ストレスは毎日少しずつたまっていきます。どんどん溜まっていくストレスに「そろそろ我慢の限界かも?」と悲鳴をあげそうになっている人もいるのではないでしょうか。 ここでは、簡単にできる「ストレス解消法」をご紹介します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

オススメしたいストレス対処法


まず最初にすべきことは、ストレスを自分の管理下に置くことです。そうしなければ、ストレスに支配されてしまい、ストレスに苦しむことになります。
しかし、コントロールできなくても心配はいりません。以下に、ストレスを小さくできそうな対処法を挙げてみます。

頭の中でポジティブな独り言を

「あなたは自分の考えたものになる」という格言は、まさに真理をついています。キーポイントは、頭の中で聞こえてくる「自分は自己管理ができない」や「どうせ失敗する」などの声を聞かないようにし、意識的にそういった言葉をポジティブな言葉に置き換えていくことです。これには訓練が必要ですが、ポジティブな思考に基づいて行動するようになるにつれて、良い成果が得られるようになるでしょう。

運動しよう

運動はあらゆるストレス解消法の中で、おそらくもっとも効果的とされる方法です。研究者によれば、30分ほど適度な運動をした被験者に不安の度合いを計測する心理テストを受けてもらったところ、数値が25パーセント下がり、脳の活動にも好ましい変化が見られたそうです。
運動はうつ病のような症状や不安を減らし、自尊心を高め、集中力や反射神経をよくするといわれています。過剰なストレスを抱えると、これらの調子が悪くなり、問題が起こってしまうのです。
また、適度な運動をすると、ストレスを感じてもコルチゾルの生成が活発にならなくなってしまいます。積極的に外での運動をするようにしましょう。

食べものに気をつけよう

食事を少ししか摂らないことは、「ストレスに対処する」手段としてまったく効果的ではありません。むしろ、もっと気分が悪く感じるようになり、どうしようもなくなっていくだけです。
バランスの取れた健康的な食事を摂り、血糖値を調整するようにしましょう。魚、サラダ、フレッシュフルーツ、野菜をちょっとしたスパイスと一緒にたくさん食べるように心がけてください。高脂肪の食べものや加工食品とは距離をとり、アルコール飲料もほどほどにしておきましょう。

適切な量の睡眠をとろう

睡眠には体を回復させる働きがあります。特に、神経系と副腎を回復させるので、十分な量の睡眠を確実にとるようにしましょう。必要な睡眠の量には個人差がありますが、平均して夜に8時間くらい眠ることを目標にするとよいとされています。
また、睡眠不足は血糖値にも悪影響を及ぼし、成長ホルモンの分泌の減少や、コルチゾルの分泌増加、レプチン(満腹信号を送るホルモン)の分泌の減少にも関係しているといわれています。

少なくとも1日に1回家の外に出よう

毎日15分から30分、心を落ち着かせる曲や気分が高揚する曲を聴いたり、自分を鼓舞する本を読むための一人の時間をとりましょう。外出して木の下に座り、空を見上げれば、髪の毛を通り抜ける風の気配を感じ、葉っぱがサラサラと音を立てるのが聞こえて、リラックスできるかもしれません。ストレスを抱えている環境から離れることは、多幸感を感じることにつながるでしょう。

子供と触れ合おう

子供たちの自由の精神と心の軽さに触れることで、普段思いもしないような違った見方で物事を捉えることができるようになるかもしれません。

アロマテラピーマッサージを受けるなど、人と触れ合う時間を増やそう

研究によると、人肌に触れることはストレスに対して効果があるとされ、強いストレスを抱えた人が作ってしまいがちな社会的距離を打ち砕くといわれています。相手は身近な人である必要はありません。マッサージサロンでマッサージを受けてもいいでしょう。もちろん、パートナーなどの「特別な人」とハグすることは、特に大きな効果が期待できます。

友達と雑談しよう

身近な人と心配事を共有したり、それを声に出したりすることは、心の負担の軽減につながるといわれています。また、身近な人と話すことで、普段ストレスに感じている事柄についても、違った角度から見られるようになるかもしれません。

思ったことを書き出してみよう

気がかりなことや悩んでいることを日記に書いてもよいですし、手紙に書いて友人に送ってもよいでしょう。悩み事で頭がいっぱいのときに、思ったことをそのまま書き出してみてください。

「NO」と言うことを習慣化しよう

たとえば、自分のスケジュールや時間に合わない、あるいは、心理的に譲歩しなければならないようなプロジェクトに対しては、躊躇せずに「NO」と言いましょう。初めはあまりよい気持ちがしないかもしれませんが、自分にとって優先すべきことを大切にするようにしてください。

次のうれしいことを考えましょう

毎晩寝る前に、自分がうれしいと感じることを考えてみましょう。できるだけ今まで考えたことのない「新しいこと」を考えるようにしてみてください。

ポジティブな面に焦点を合わせる


自分の心がネガティブなことに囚われないように注意して、何事においても意識してポジティブなことを見るように・考えるように・行動するように心がけましょう。

精神科医のFrans Korb先生は言っています。
「休憩をとり、趣味をもち、生活の中に潜む重圧やストレスから逃げる手段を見つけましょう。楽しめることを半ば強制的に行うようにしてください。ネガティブな考えは最悪の敵であり、この敵は私たちが行うすべてのことに悪い影響を及ぼします。自分のライフスタイルを全体的に見て、ポジティブな部分に焦点を合わせるようにし、ネガティブな部分に焦点を合わせないようにしましょう」。

おわりに:ストレスをどのように捉えているかが大切

ストレスによる問題の大部分が「ストレスを自分自身がどう認識しているか?」に基づいた反応だと考えられます。
ストレスの原因となっている状況を(心理的または物理的に)脅威と感じないように対処することができれば、 ストレスの悩みは解決につながるかもしれません。まずはものごとのポジティブで楽しく考えるように心がけてみてはいかがでしょうか。

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