記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/10 記事改定日: 2019/2/28
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
群発頭痛は一次性頭痛(病気が原因でない頭痛)ですが、じっとしていられないほど強い痛みが出る頭痛です。そのほかに群発頭痛の症状の特徴はあるのでしょうか。
原因や治療法とあわせて解説していきます。
群発頭痛とは、慢性頭痛の中で最も激しい痛みが現れる頭痛です。
その痛みはあまりにも耐え難く、患者が自殺しようとしてしまうことさえあるといわれています。
群発頭痛の頭痛は予兆なしに突然襲ってきて、頭の片側や片目の裏側に鋭く突き刺すような痛みが生じます。痛みは最低でも15分続き、酷い場合は3時間以上続く場合もあります。
群発頭痛は数週間の間、同じ時刻(特に夜)に起きることが多いといわれており、鼻と目が赤くなったり、光や音、匂いに敏感になったりすることがあります。また、痛みの前に吐き気を感じるという人もいるようです。
群発頭痛は、脳の視床下部と呼ばれる部位に何らかの原因によって刺激が加わることで、脳の血管が拡張し、痛みを感知する三叉神経を刺激するために生じると考えられています。
三叉神経は目や鼻の周りを走行するため、群発頭痛では目の奥の激しい痛みや流涙・鼻水などの症状が引き起こされるのが特徴です。
また、群発頭痛は20~40歳の比較的若い男性に発症することが多く、アルコールの多飲や喫煙習慣が発症リスクを高めることが知られています。アレルギー反応を引き起こす「ヒスタミン」と呼ばれる体内物質が発症の引き金となることがあり、アレルギー体質の人が発症しやすい傾向があるとの報告もあります。
群発頭痛は鎮痛薬や注射によって緩和させるのが一般的ですが、薬以外の有効な治し方としては、酸素吸入(純酸素を吸って脳への血流を抑える治療法)があります。
酸素吸入で頭痛が和らぐ正確な理由についてはわかっていませんが、酸素吸入によって多くの人の群発頭痛の症状が和らぐという結果が出ています。
また、症状が深刻な場合は、電流治療や手術によって特定の神経の神経伝達をストップさせることで治療するケースもあります。
群発頭痛の痛みは日常生活もままならないほど非常に強いもので、発症の原因もはっきりとわかっていません。セルフケアでの対処が難しい頭痛ですが、病院での治療で痛みを緩和できるケースも多いので、まずは専門の医療機関に相談し、自分にあった治療を進めていきましょう。