血糖値を下げる!運動をはじめる4ステップ

2017/8/10

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

高血糖は糖尿病や動脈硬化の発症リスクを高めるため、血糖値を下げるようにすることが重要です。そのための効果的な方法は運動をすることです。今回は血糖値を下げる運動の4ステップを解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

高血糖の症状

高血糖は、糖尿病を患っていて、その糖尿病がうまくコントロールされていない人によく見られます。高血糖の症状は軽度のもの、中程度のもの、重症なものまであります。

軽度の高血糖

高血糖の主な症状には以下のようなものがあります。
・頻繁に喉が渇く
・頻尿
・体重減少
・疲労
・食欲が増す

中度から重度の高血糖

重度の高血糖の症状には、以下のようなものがあります。
・視界がぼやける
・極度に喉が渇く
・意識がもうろうとする
・肌が赤く、熱を持っていて、乾く
・落ち着きがなくなる、眠くなる、起きられなくなる
・呼吸回数が上昇する
・食欲不振、腹部の痛み、嘔吐

血糖値を下げるための運動

ウォーキングなどの軽い運動をしていると、鼓動は少し速くなり、少し息切れするようになります。筋肉は、血液中の糖をより多く消費してエネルギーに換えるため、時間が経つと血糖値が下がっていきます。また、運動には、体内のインスリンの働きを活性化する効果もあります。

45歳であっても95歳であっても、運動の効果を得るのに年齢は関係ありません。運動をすると体を動かしやすくなりますし、運動しやすくなるので動きがより活発化します。その結果、血糖値を下げ糖尿病をコントロールしやすくなることが期待できるでしょう。以下の4つのステップに従って、運動を始めてみましょう。

ステップ1:一番楽しめる運動について考え、計画をたてる

運動をこれから始めるという場合には、医師に相談して自分に適した運動は何か教えてもらいましょう。糖尿病の薬を調節する必要があるかどうか、運動を始める前に医師に相談しましょう。
次に、一番楽しめることは何かについて考えましょう。自分の好きな運動の方が長く続けることができるはずです。以下を参考にしてみましょう。
・屋外あるいは室内を歩く
・ダンス教室に通う
・屋外でサイクリングをしたり、屋内でフィットネスバイクに乗る
・泳いだり、アクアビクスをする
・ストレッチをする
・ヨガや太極拳をする
・テニスをする
・エアロビクスやその他のフィットネス教室に通う
・家事や庭仕事、ガーデニングをする
・軽いウエイトやゴムバンドを使って、筋力トレーニングをする

この中からやってみたいと思うものがあれば試してみましょう。実際のところ、ウォーキングやスイミングなどの有酸素運動と、ストレッチやバランス運動を組み合わせることによって、より効率的に体を動かすことができます。方法は何であれ体を動かすことは血糖値を下げることに役立ちます。

ステップ2:スケジュールを作る

運動に最も適した時間は夕食後といわれています。自分にとっていつ運動するのがベストなのか、医師に相談しましょう。朝食後と夕食後に犬の散歩に行ったり、昼食後にヨガ教室へ行ったりテニスをしましょう。

やる気を保つため、友人や家族に一緒について来てもらったり、教室に一緒に通ってもらえるよう頼んでみましょう。他の人が一緒にいるときには、外出をしやすくなるでしょう。仲間がいれば運動ももっと楽しくなります。

ステップ3:準備をする

自分によく合っている快適な靴と、擦れないような綿の靴下を身につけましょう。自分に適した履物を身につけることによって、水ぶくれができるのを防ぐことができます。糖尿病の人の中には、水ぶくれが起こると、深刻な感染症に発展してしまう可能性がある人もいるのです。
・運動をする前には、血糖値を測りましょう。血糖値が100 mg/dl以下である場合、最初に軽食をとる必要があるかどうか医師に相談しましょう。
・血糖値が下がってしまった時のために、軽食やグルコースタブレットを持ち運びましょう。
・運動前、運動中、運動後に、水をたくさん飲みましょう。

ステップ4:やってみる

まずは週に数日だけ運動することから始めて、そこからゆっくりと増やしていきましょう。週に3回、10分間のウォーキングをしてみましょう。別の2日間は、5分間ストレッチをしましょう。徐々に、毎日の運動時間を5~10分ほど増やしていきます。目標は、ウォーキングなどの軽い運動を30分間、ほぼ毎日やることです。

運動する時はメモをする

運動する時はいつも、運動した時間と運動前後の血糖値をメモしましょう。時間が経てば、運動によってどれくらい血糖値が改善したか理解することができます。最初はゆっくりと、無理のない範囲から運動を始めましょう。

少しずつ運動を増やす

運動になれてきたら、よりきつい運動に挑戦することができるようになります。少しずつ運動の時間を増やしたり、ペースを上げたりしましょう。できなかったことができるようになったこと、そしてそれを自分が心から楽しけるようになったということが分かれば、きっとはりあいも出てくるはずです。

激しい運動に注意する

激しい運動をする必要はありません。激しい運動すると、運動をやめた後に一時的に血糖値が上がってしまうことがあります。また、激しい運動にをすると、ストレスホルモンをより多く作り出してしまう場合があり、これは血糖値上昇の原因となります。

おわりに:運動で血糖値を下げよう

結果を得るためにマラソンを走る必要はありません。ウォーキングをしたり、スイミングをしたり、子供や孫と遊ぶことなどは、運動するためのすばらしい方法です。血糖値が高いようなら運動を始めてみましょう。

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