記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/7 記事改定日: 2019/4/4
記事改定回数:2回
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
塩分の多い食習慣の影響からか、日本人の高血圧の発症率は高いといわれています。高血圧は生活習慣病のひとつであり、改善には生活習慣の見直しが必要です。
この記事では、高血圧の改善で食事と運動の着直しが必要な理由について解説していきます。長く続けていくコツなども紹介していくので、高血圧の人や少し血圧が高いといわれた人も参考にしてください。
DHAやカリウム、ナットウキナーゼなど、血圧を下げる効果があると謳われているサプリメントは多く販売されています。
健康診断などで血圧が正常値より少しだけ高いのが気になるという人が、あくまでも高血圧予防の一貫として、このようなサプリメントを使用することに問題はありません。
しかし、すでに高血圧と診断されているような本格的に治療が必要な人はサプリメントだけで改善することは難しいです。
高血圧は様々な原因によって引き起こされますが、多くは塩分の摂りすぎや肥満などの好ましくない生活習慣が発症に関与しています。
塩分の摂りすぎは、血液中の塩分濃度を薄めるために余分な水分が体内に止まりやすくなります。その結果、血液量が増加して血圧が高くなるのです。
一方、肥満は血糖値を下げたり腎臓での塩分の再吸収を妨げるインスリンの作用を低下させることが分かっており、血液中の塩分濃度が上昇することで高血圧を発症しやすくなります。
このため、高血圧を改善するには適量な塩分やカロリー、栄養バランスに注意した食生活や適度な運動などの生活習慣を身につけることが大切なのです。
また、高血圧になりやすいかどうかは遺伝も関与していると考えられているため、両親や兄弟に高血圧の人がいる場合は生活習慣の乱れに注意しましょう。
血圧は変動するものであり、測る状況や時間によって数値が異なるのは一般的なことです。特に病院で血圧を測ると高くなる人が多く、このようなものを白衣高血圧といいます。しかし、この血圧は一時的に上昇したもので、他の状況で正常な血圧ならば、特に治療は必要ないとされています。
そこで、血圧の状態を詳しく把握するために、家庭での血圧測定が重要になります。起床時や寝る前など、毎日決まった時間に測って記録することで、一時的に上昇した血圧だけでなく、平均した状態を知ることができるのです。
家庭用血圧計はドラッグストアや電気屋で手軽に購入することができますので、血圧が気になる人や治療中の人は購入して記録をつけるようにしましょう。
測定時は、計測する腕を心臓に近い高さまで上げるとより正確に測ることができます。また、何らかの動作をした後や食後は血圧が上昇しやすくなるので、食後は避け、座って1~2分休んでから図るようにしましょう。
高血圧の改善は食事や運動、嗜好品の制限など「生活習慣の改善」が重要です。今までの習慣を急に変えることは難しいかもしれませんが、少しずつ変えていくだけでも構わないので、積極的に取り組んでいきましょう。
ただし、すでに降圧剤を飲んでいる人は必ず医師に確認してから始めるようにしてください。