記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/8 記事改定日: 2018/3/14
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「冷やしたほうがいいの?温めたほうがいいの?」
「カフェインをとったほうがいいの?避けたほうがいいの?」
・・・など、今回は頭痛の対処法に関するさまざまな疑問をまとめました。
頭痛の対処法を試したけどなかなか改善しないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
(※頭痛にはいくつか種類がありますが、今回は頭痛の中でも代表的な「片頭痛」と「緊張型頭痛」の2つのタイプの頭痛の対処法を紹介します)
この方法が有効なのは片頭痛の場合です。
片頭痛は脳の血管が拡張し、拡張した血管が周囲の三叉(さんさ)神経を刺激することで起こるため、冷たいタオルなどを痛む部位に当てると拡張していた血管が収縮して痛みが軽減します。
反対に、入浴やマッサージなどは血管をさらに拡張させる可能性があるので痛みを悪化させてしまう可能性があります。
片頭痛を発症しているときは音や光に過敏に反応しやすくなるので、患部を冷やしている間はできるだけ暗くて静かな部屋などで体を動かさずに横になりましょう。
緊張型頭痛は頭の横の筋肉や肩・首周辺の筋肉が緊張することで起こるので、痛む部分を冷やすとさらに血行が悪くなって痛みを強めてしまう可能性があります。
冷やすのではなく、患部を蒸しタオルや半身浴などで温めたり、マッサージやストレッチなどで首や肩の筋肉のこりを取って血行を改善するようにしてください。
片頭痛の場合はコーヒーや紅茶、コーラなどのカフェインが含まれる飲み物を飲むことで頭痛が和らぐことがあります。これはカフェインは血管を収縮する作用があるためです。
ただし、カフェインを日常的に摂取していると逆に頭痛を誘発する原因になるので、片頭痛が起こりやすい方は普段はカフェインを取りすぎないよう注意しましょう。
緊張型頭痛の主な原因は肩こりや首こりによる血流の低下です。
そのため、緊張型頭痛の方がカフェインを多く取ると血管がよけいに収縮して血流が悪くなってしまう可能性があります。
そのため、基本的に緊張型頭痛の場合はカフェインを控えたほうがいいとされています。
ですが、緊張型頭痛の場合でも、カフェインの持つ強心作用が血流を増加させたり、コーヒーなどを飲むことでホッとした気分になって体の緊張がほぐれたりと、カフェイン入りの飲み物をとることで痛みが和らぐというケースもあるようです。
緊張型頭痛は首や肩の筋肉の緊張をほぐすことで改善するので、首や肩周辺のつぼを押すことで症状が緩和する可能性があります。
片頭痛の場合は痛みが起きているときは、血管がさらに拡張するのを避ける必要があるため、特に頭や首の周りのつぼには触らないようにし、肩こりや首こり解消に効果があるとされている手や足などのツボを温める方法がおすすめです。
頭痛の中には市販の解熱鎮痛薬を服用することで対処できるものもあります(※市販の多くの痛み止めには熱を下げる(解熱効果)もあるため、「解熱鎮痛薬」と呼ばれています)
市販の頭痛薬に含まれる成分の代表例としては、プロスタグランジンの生成を抑えて炎症・痛み・熱を抑える働きがある、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の「イブプロフェン」や「アスピリン(アセチルサリチル酸)」、また、中枢性の作用で痛み・熱を抑え、抗炎症作用がほとんどない「アセトアミノフェン」などがあげられます。
市販薬を服用するのが1ヶ月に2~3回程度の場合は自分に合った薬剤を選んで構わないのですが、1週間に2日以上服用する場合は単一成分の薬を選ぶようにしてください。
頭痛が起きたら、できるだけ早めに鎮痛薬を服用しましょう。
鎮痛薬は痛みがひどくなる前に早めに飲むのがポイントですが、効果が感じられないのに気休めに飲んだり、頭痛になるのが不安で痛みを感じないうちに習慣的に飲むことはしないでください。
1回の量や1日の回数など、用法・用量をきちんと守って服用しましょう。
また、1か月に10日以上鎮痛薬を飲む状態が続くと、もともとの頭痛を悪化させたり、頭痛が毎日起こってしまう可能性があります。
毎週2日以上鎮痛薬を服用しているようであれば、できるだけ早めに医師に相談してください。
頭痛の対処法は「片頭痛」なのか「緊張型頭痛」なのかによって異なるので、自分の頭痛の症状から頭痛のタイプを知り、それぞれに適した対処を行うことが大切です。
頭痛のタイプがわからない場合や痛みが強い場合には、我慢せずに病院で診てもらうようにしましょう。