記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「漢方薬は苦い」という印象はあるかもしれませんが、正しい飲み方を知っていますか?
この記事では漢方薬を服用するときに知っておきたい効果的な飲み方や、タイミング、注意点などをまとめました。
漢方薬には煎剤、顆粒剤、錠剤、散剤、丸剤など幅広いタイプがあり、飲み方は薬の形状によって異なります。ここで、形状に合った飲み方を見ていきましょう。
煎剤とは漢方薬を煎じて飲む昔ながらの方法です。
手間がかかる反面、漢方薬本来の効果が期待できます。
1日分の煎剤を土鍋などに入れ、500~800mlの水を加えて熱を加えます。
沸騰したら弱火にして、40~50分ほどかけて半分ほどの量になるまで煮つめます。
できあがったら冷めない間にガーゼやふきんでこせば、1日分の薬の完成です。
鉄は植物の成分と化学変化を起こしやすいので、煎じるときや保管するときは絶対に鉄製の鍋や容器は使わないでください。
煎じた薬は1日分を朝・昼・夜の3回に分けて、それぞれの食後に飲むのが効果的です。
服用する際は水などで薄めずにそのまま飲みましょう。
顆粒剤、錠剤、丸剤は粉薬と違って飲み込むときに口の中に残りにくいため、漢方薬を比較的簡単に飲むことができます。
散剤は粉薬のことで、漢方処方を粉末状のままあるいは煎じて飲みます。
1日分を2~3回に分けて服用する場合が多いです。これらの薬剤は水または白湯で飲んでください。
内容によって例外もありますが、ほとんどの場合「食前」は食事の30分~1時間前、「食間」は食時の間の空腹時を、「食後」は食事を終えてから2時間ほどを指します。
漢方薬を服用する際には容量や用法をきちんと確認し、医師の処方に従いましょう。
薬の種類にもよりますが、飲み忘れてしまった場合にまとめて服用して良いのは2回分までとされていますが、1~2回の飲み忘れであれば、その分を絶対に服用しなければいけないわけではありません。
また、胃腸が弱い場合や漢方の種類によっては副作用が出る可能性があるので、病院を受診した際に医師に前もって対処法を聞いておきましょう。
漢方薬の香りや味も重要な薬効ですが、どうしても受け付けない場合には専用のゼリーやオブラートに包んで服用しても構いません。
漢方薬の苦味や香りを感じにくくし、通常よりもラクに服用することができます。
ただし、胃の中でゼリーやオブラートが素早く溶けるように白湯を多めに飲むようにしてください。
漢方薬は天然の植物、動物、鉱物などの生薬成分を組み合わせて作られているため、効果は広範囲に及びます。
作用は穏やかですが副作用が現われる可能性もあるので、使用の際には医師の指示や処方にきちんと従いましょう。
また、人によって処方される生薬は異なるので同じ病気の場合でも、他人の漢方薬は絶対に服用しないでください。