記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
保護者がアレルギーを持っている場合、子供もアレルギー体質になることがあるとされています。子供に食物アレルギーがあった場合、どのように対処すればよいでしょうか? 今回は、子供の食物アレルギーの症状や対処法について解説します。
食物アレルギーとは、免疫系の働きによって引き起こされる反応です。 人はあらゆる種類の食物にアレルギー反応を起こす可能性がありますが、特定の食品にアレルギーがある25%のうち、子供では約6%、成人では約2%に食物アレルギーがあるとされています。
食物アレルギーははっきりとした症状が現れることが多く、通常は食後数分でアレルギー反応が起こります。主な症状は以下のとおりです。
・じんましん(虫刺されに似た赤い斑点)
・皮膚のかゆみ(口や喉に出ることが多い)
・涙目
・唇や舌の腫れ
・くしゃみ
・喘鳴
・吐き気
・嘔吐
・下痢
・肌が青白い、頭痛、呼吸困難
(これらのような循環器症状は最も重症の場合にのみ発生しますが、見つけたらすぐに救急車を呼んでください)
食物アレルギーは、主に木の実、ピーナッツ、牛乳、卵、大豆、小麦、魚介類によって引き起こされます。これらの食品による食物アレルギーが全体の90%を占めているといわれています。食物アレルギーを抱えているほとんどの人々は、同時に4種類未満の食品にアレルギーがあります。
子供が特定の食物にアレルギーがあるように見える場合は、小児科医に相談してください。血液検査やプリックテスト(特殊な針で皮膚にとても小さな穴を開けて行う検査)で診断します。
学校の先生など、子供と関わる機会が多い人に、子供のアレルギーについてやアレルギー反応の見分け方、アレルギーのある食べ物を食べてしまった場合の対処方法を伝えておくことが重要です。外出のときなどは、常に安全な食べ物を携帯するようにして、どの食品が安全か食品ラベルを読んで、しっかり判断できるようになりましょう。
ピーナッツにアレルギーのある人の約半数は、他のナッツや種にもアレルギーがあるとされています。子供に他のナッツを与える前に、小児科医に相談しましょう。
子供用の抗ヒスタミン剤などで対処します。ただし、必ず事前に医師から処方を受けた薬を与え、分量を守るよう気をつけましょう。
アレルギー注射は、環境や季節性のアレルギーに有効であって、食物アレルギーを改善することはできません。食物アレルギーを改善する方法は、その食べ物を避けるしかありません。
牛乳、卵、小麦などのアレルギーは、通常は5歳くらいまでに成長とともに治りますが、貝類のアレルギーは生涯続くことが多いようです。子供がアレルギーが無くなったかどうか、自分の判断で確認するようなことは絶対にしないでください。医師に相談し、適切な検査を受けるようにしましょう。
食事の後、子供に少しでも異変があれば、食事をチェックし、医師に相談しましょう。もし、食物アレルギーと診断されたら、すべての食品のラベル表示をチェックし、アレルギーを引き起こす可能性がある食品を避けてください。