後頭部にどんな頭痛がしたら病院へ行くべきなの?

2017/8/24 記事改定日: 2020/3/5
記事改定回数:3回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

後頭部の頭痛には、脳の異常や血管の異常が原因のことがあり、このような頭痛はすぐに病院で治療してもらう必要があります。
この記事では、病院へ行った方がいい「危ない後頭部の頭痛」の特徴について解説していきます。

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危なくない後頭部の頭痛にはどんなものがある?

後頭部の頭痛のすべてが「危険な頭痛」というわけではありません。頭痛の多くが以下で紹介する「一次性頭痛」という命に危険がない、いわゆる「頭痛持ち」の頭痛です。

後頭神経痛

後頭神経痛(こうとうしんけいつう)は、後頭部にある末梢神経からくる頭痛です。後頭部の片側または両側に数秒から数分の間、激痛、ズキンとするような痛み、刺すような鋭い痛みが繰り返し現れたり消えたりします。
後頭部の頭痛の多くは、この後頭神経痛が原因といわれています。

後頭神経痛は肩こりや首こりと関連していることが多く、筋弛緩薬の使用や血流改善による治療で改善できます。

緊張型頭痛

長時間のPC業務や疲労、ストレスなどで肩こりや首のコリがひどくなると起きるのが緊張型頭痛です。頭全体や後頭部が締め付けられるように痛みます。

痛みはガマンできないほどではない程度ですが、対処しないと毎日続くのでわずらわしく感じるでしょう。肩や首まわりを温めると頭痛が和らぎやすいです。

片頭痛

片頭痛は、ズキンとした脈打つような痛みが、発作的に4時間〜3日ほど持続するタイプの頭痛です。片頭痛は「頭の片側が痛む頭痛」というイメージを持つ人もいるでしょうが、両側に痛みが出ることも少なくありません。
側頭部に痛みが起きることが多いですが、後頭部やこめかみに痛みを感じることもあります。

頭痛がしている間は吐き気や嘔吐、光や音に過敏になるなど、頭痛以外の症状がすることも多く、なにもしていられないほどの痛みが続くこともあります。
安静にしたり、痛みがするところを冷やすと痛みが緩和するのも片頭痛の特徴です。

後頭部の頭痛で危ない頭痛の特徴は?

後頭部に限局した頭痛は、頭蓋内出血や髄膜炎など命に関わる危険な病気が背景にある場合があります。次のような症状をともなう場合は、できるだけ早く病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。

  • 吐き気・嘔吐
  • めまい
  • 意識消失
  • 視野や視力の異常
  • 高熱
  • 呼びかけへの反応が薄く、ぐったりしている
  • 手足のしびれや麻痺
  • 構音障害(言葉がスラスラ出ない、発声できない)
  • 首や背中にかけて痛みが走る
  • 耐え難い頭痛
  • 急激な血圧上昇

救急車を呼んだほうがいい頭痛の特徴は?

頭痛はときに重篤な病気によって引き起こされることがあります。次のような特徴のある頭痛は脳出血やくも膜下出血など命に関わる緊急性の高い頭痛かもしれません。できるだけ早く救急車を要請しましょう。

  • バッドで殴られたような非常に強い突然の頭痛
  • 吐き気や嘔吐を伴う
  • 顔や手足にしびれや感覚障害を伴う
  • 視力や視野の異常を伴う
  • 目の充血と痛みを伴う

おわりに:突然の激しい痛み、嘔吐、手足のしびれ、視界の変化、ろれつの変化に注意!

後頭部の頭痛の多くは、片頭痛や緊張型頭痛などの「命に危険がない頭痛」で、自分で対処できるものです。
しかし、突然激しい痛みが起こったときや、嘔吐、ろれつがまわらない、見え方に異常があるときが、脳出血などのような重篤な病気が原因の可能性があります。
すぐに病院で処置してもらいましょう。

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