チョコレートは健康にいいってホント?
2017/2/7
「チョコレートはカラダにいい」
というウワサ、聞いたことがありませんか?
「チョコを食べるとがんにならない」「チョコは血圧を下げる」
などなど、チョコレートと健康を巡るウワサはさまざま。
果たしてどの説も本当なのでしょうか?
なぜ「チョコは健康にいい」と言われ始めたのか
そもそも、チョコレートの健康効果への関心が高まったのは最近のことです。この風潮は、とある研究者が中米のパナマ・インディアンの生活に注目したことがきっかけで始まりました。
パナマ・インディアンは主な飲料としてココアを飲むことが多いのですが、彼らの血圧が非常に低いことが判明したのです。そこから派生し、「チョコレートは血圧を下げるのではないか」「脳卒中のリスクを低減させるのでは?」などの説が出てくるようになりました
チョコレートは血圧を下げる?
チョコレートと血圧の関連性についてはたびたび検証されてきましたが、2012年に再調査したところ、「ダークチョコレートを含むココア製品は、わずかながら血圧を下げる効果がある」という結論に至りました。
しかし、この研究のほとんどは短期間(2〜8週間)で検証したものだったため、より長期にわたって検証すべきという課題が残っています。
チョコレートでがんを予防できる?
一部の動物実験では、「ココアを大量に摂取すれば大腸がんを予防できる」という結果になったものがあります。しかし動物実験のため、人間の場合でも同じ効果が得られるかどうかの検証は不十分です。
チョコレートにストレス解消の効果がある?
2009年、40gのダークチョコレートを14日間摂取させるという研究を行ったところ、30人の被験者にストレスホルモンの低下が見られました。しかし、研究期間が短いなどの問題点があり、確かな情報とは言い切れません。
1日2本チョコレートバーを食べると脳卒中を防げる?
2015年に実施された研究によると、「1日に2本のチョコレートバーを食べた人は、全く(あるいはほとんど)食べなかった人より脳卒中リスクがわずかに低い」という結果が出たそうです。しかし、チョコレートバーを食べる人が別の方法で健康を保っていたという事実が判明したため、直接的な因果関係を実証することはできませんでした。
チョコレートで静脈性下腿潰瘍が治る?
静脈性下腿潰瘍(じょうみゃくせいかたいかいよう)とは脚にできる皮膚潰瘍であり、治癒するまでに数週間かかることがあります。肥満や麻痺などの理由であまり動けない人は発症リスクが高いです。
2013年の研究で、フラボノイド(チョコレートと赤ワインに含まれる化合物)が潰瘍の回復を早めるかどうかが検証されましたが、十分な結果を得られるまでには至っていません。
チョコレートに関する栄養上の注意点
上記の研究はいずれも、チョコレートそのものではなくココア抽出物に焦点を当てたものになります。また、そもそもチョコレートを作る過程で砂糖と脂肪と組み合わせている事実もふまえ、チョコレートを摂取するかどうかを決めてください。
チョコレートには、体重増加や病気の危険性を上げる高エネルギー食品という一面もあります。あまりにも頻繁に食べると不健康のもととなるので、十分注意してください。
おわりに
チョコレートが健康にいいかどうかは、まだまだ検証しきれていない面が数多くあります。
現在もさかんに研究が行われているテーマではあるので、今後の研究結果に期待しましょう!