いびきがうるさいと言われた・・・。どうすれば予防できる?

2017/9/20

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

もし、あなたが朝、目覚めたときに、家族やパートナーから「いびきがうるさくて眠れない!」と言われてしまったら? 迷惑をかけて申し訳ない気持ちとともに、いったいどうすればいいんだろう? と思ってしまいますよね。ここでは、いびきの予防法など、お伝えします。

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いびきをかくのはなぜ?


いびきは、口や鼻を通る空気の流れが、物理的に邪魔されたときに起こります。空気の流れが妨害される原因には、以下のものが挙げられます。

鼻気道の閉塞

アレルギーの季節や鼻炎になった間だけ、いびきをかく人は炎症により鼻気道の閉塞が起こっている可能性があります。また、鼻中隔湾曲症(鼻の穴を左右に隔てている壁が曲がってしまう症状)や、鼻ポリープのような鼻の変形症状で閉塞され、空気の流れが妨害される場合もあります。

喉や舌の筋肉の緊張低下

喉や舌の筋肉が弛緩しすぎると舌が喉の奥に落ち込んでしまい、気道が閉塞してしまう場合があります。これは、熟睡時やアルコール摂取時、または睡眠薬にみられることがあり、加齢による筋力低下でさらに弛緩が進行することもあります。

喉の奥の障害

肥満になると舌が肥大し、気道を狭める原因となります。また、扁桃の肥大や腫れがいびきの原因になっていることもあります。

軟口蓋(なんこうがい)や口蓋垂(こうがいすい)が長い

軟口蓋(上顎の奥部分のやわらかいところ)や口蓋垂(いわゆる「のどちんこ」のこと)が長い場合や大きい場合に、鼻から喉につながる空気の通り道を狭めてしまうことがあります。これらの器官が振動することも、いびきが起こる原因とされています。

自分でできるいびき対策

いびきを防止するために、以下のことをするとよいでしょう。

・睡眠薬や精神安定剤などを飲んだり、飲酒したときにいびきが起こるようならば、これらは避けるようにしましょう。

・肥満を解消し適切な体重を維持するために、バランスの整った食事を摂り、暴飲暴食を酒、適度な運動を取り入れるようにしましょう。

・毎晩、同じ時間に就寝し、十分な睡眠をとるように心がけましょう。規則正しい睡眠習慣で良質な睡眠を獲得することで、いびきが改善するケースも報告されています。

・仰向けで寝るといびきをかきやすいので、横を向いて寝るようにしましょう。

・喫煙は気道を狭める要因であり、いびきの原因につながることがあります。タバコを吸う習慣がある人は、禁煙をはじめましょう。

・ベッドの頭側を10センチから15センチ上げてみましょう。頭を高くして寝ることで、舌が喉の後ろ部分に落ちることを防ぐといわれています。ただし、枕で頭や上半身だけ高くしても効果がみられないこともあるようです。

・風邪やアレルギーなど、鼻詰まりなどの呼吸障害を起こす病気、早めに治療しておきましょう。

病院でのいびき治療が必要な場合


自分、もしくは隣で寝ているパートナーが、以下の事項に当てはまったときは、医師に相談しましょう。

・いびきをひどく大きくかく

・日中、普通なら起きているはずの時間に眠ってしまう

・怒りっぽくなる

・集中力が低下する

・鬱のような状態になる

・朝起きたときに、しっかり休めたように感じがない

・頭痛と共に目が覚める

・寝ている間に呼吸が止まっていたようだと誰かに言われた

・話している間や食べている間など、不適切なタイミングで眠ってしまう

・寝ている間に息が止まったり、詰まったり、息を呑んだりする

おわりに:途中でいびきが止まるなど、気になる症状がみられたら病院へ

いびきは、何らかの原因で気道が狭められることで起こります。気道を狭める原因を改善するには、原因となる病気や生活習慣を改善することが大切です。

いびきには睡眠時無呼吸症候群や脳梗塞など、専門の治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。寝ている間に定期的にいびきがピタッと止まる、日中に眠気を感じる、意識障害や言語障害、視覚障害などの症状がみられる場合は、すぐに病院を受診してください。いびきは自分では自覚しにくい症状ですので、家族やパートナーにも協力してもらいましょう。

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