記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
なかなか寝付けない不眠症や、昼間、ところかまわず眠気が襲ってくるナルコレプシーなど、睡眠障害はつらいものです。早く改善させるためのセルフケアの方法や、病院にいった場合に行なわれる治療法、出される薬などについてまとめました。
現在、患っている別の疾患や、それによる痛みなどが原因。
心理的に抱えている不安やストレス、精神的ショックなどが原因。
時差ボケで体内時計がおかしくなっていたり、昼夜二交代制の職場で働いているなどで、生理面に影響が出ている状態
うつ病やパニック障害、摂食障害など、現在、抱えている精神疾患が原因。
現在、服用している薬の他、アルコールやカフェイン、ニコチンなども含まれる。
病歴や持病、服用している薬についての問診が行われます。睡眠に影響を与える病気として、胸焼け、糖尿病、心不全、関節炎、腎臓病、夜間頻尿(夜間に頻繁に尿意が起こる)、甲状腺疾患などが挙げられます。
毎晩の睡眠時間、寝つくまでにかかる時間、起きる時間と起きている時間、朝にどれほど休まったと感じるか、そして日中の眠気などを記録します。
検査端末を取り付け、寝ているときに無呼吸の状態がないか、脳波や心電図、血中酸素量はどのように変化しているのかを検査します。。
日中にどれほど眠気を感じているかを測定します。
睡眠障害は疾患によって治療法が異なります。代表的な疾患と治療法を見てみましょう。
・睡眠時無呼吸症候群
経鼻的持続陽圧呼吸療法(鼻CPAP療法)や口腔内装置など重症度によって治療法が異なります。肥満の場合はダイエットが必要です。飲酒や睡眠薬は症状を悪化させるため控えましょう。
・むずむず脚症候群/周期性四肢運動障害
抗てんかん薬や抗パーキンソン病薬などが使用されます。
・過眠症
夜間の十分な睡眠が必須です。規則的な生活を心がけ、短時間の昼寝をうまく取り入れましょう。眠気に対して中枢神経刺激薬が使用されることがあります。
・睡眠時随伴症
薬物療法として、睡眠薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗パーキンソン病薬などが使われます。
・概日リズム睡眠障害
体内時計をリセットするため、朝、たっぷり光を浴びるようにしましょう。睡眠薬やサプリメントを使用する場合は、専門医に相談してください。
・睡眠薬の治療
不眠症状に応じて、睡眠薬の他、抗うつ薬や抗不安薬、抗精神病薬などが使用されます。
日常の生活習慣、そして睡眠習慣を見直し、規則正しく生活しましょう。以下のことに注意してみてください。
加齢によって、必要な睡眠時間は短くなります。長時間眠ることにこだわらず、年齢に合った睡眠時間を設定しましょう。
眠ろうと意気込むと、かえって頭が冴えてきます。布団の中で眠れないとあせってしまい、ますます眠れなくなってしまいます。また、床についたら、テレビを見たり、読書をしたりしないようにしましょう。
眠った時間は関係ありません。毎日同じ時刻に起床しましょう。
長い昼寝や夕方以降の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を及ぼします。
自覚できる症状と人から指摘される症状と分けて、以下のことをチェックしてみましょう。
・寝つきの悪さ、途中で起きてしまい再入眠できない、朝早く起きてしまう、熟睡できない
・過眠・・・夜十分眠っているのに日中眠くてしかたない、居眠りをして注意をされる
・就寝時の異常感覚・・・脚がむずむずしたり火照ったり、じっとさせていられない。その症状が夕方以降に悪化
・睡眠や覚醒リズムの問題・・・適切な時刻に入眠できず、希望する時刻に起床することができない
・いびき、眠っているときに息が止まる、突然息が詰まったようにいびきが途切れる
・睡眠中の異常行動・・・寝ぼけ行動、寝言、睡眠中の大声や叫び声をあげるなどの行動をとる
・睡眠中の異常運動・・・寝入ってすぐや夜中に脚がピクピクと動いている
重度の睡眠障害は病院での治療が必要な場合も出てきます。今回の情報を参考にして、早めにあなた自身の睡眠障害に気づき、治療に向かいましょう。
重症化するとうつ病や統合失調症を発症したり、睡眠時無呼吸症候群の場合では、高血圧や心不全などを引き起こすことがあるため、十分にケアするようにしましょう。
【厚生労働省ホームページを編集して作成 http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_sleep.html】