記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肉離れはスポーツをしているときに起こりやすいとされていますが、発症したときにはどのように対処すれば良いのでしょうか?
この記事で症状・原因・対処法など、肉離れの基礎知識をおさらいしましょう。
肉離れは筋肉の急激な収縮によって、筋肉を包んでいる筋膜や筋繊維の一部がダメージを受けることです。発症すると、足がつったときのような痛みや患部の腫れが出てきます。
軽度の場合は筋膜や筋繊維に小規模の断裂が起きる程度で済むため、激しい痛みを感じることはほとんどなく、自力で歩くこともできます。
中程度の場合は筋繊維の断裂や皮下内出血などが起きるため、歩くことが難しいです。
さらに、重症の場合は患部を触って陥没が確認できるほどに断裂が深くなり、激痛のために歩けなくなります。
肉離れの原因として考えられる行為は以下の通りです。
・運動前のストレッチ又はウォーミングアップの不足など、筋肉の柔軟性が足りないままの状態で急激な動きをしたこと
・過度な運動、筋肉に負担をかけるような激しい動きをしたこと
・普段運動をしない人が急に運動してしまったこと
肉離れは、特にふくらはぎの内側の中央上部やハムストリングス(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋の総称)で起こりやすいです。
肉離れが発症した直後は、速やかに応急処置を行うことが大切です。
肉離れなどのスポーツ外傷のダメージを最小限に留めるための処置を“RICE療法”といい、「氷嚢などで患部を冷やす→ 伸縮包帯やテーピングで圧迫を加えて固定する→ 患部を心臓よりも高い位置に固定して安静にする」という流れで行います。
発症から3~5日が経過して痛みが軽くなってきたら、温湿布などで患部を温めたり筋肉が硬直しないように無理のない範囲でストレッチを行うのが一般的です。
ただし、症状によって必要な治療が異なるので、応急処置を行った後はできるだけ早く医師の診断及び治療を受けてください。
肉離れは再発を繰り返す可能性があるため、患部のストレッチやマッサージを念入りに行ない、より柔軟性のある筋肉をつくる必要があります。
これは、断裂した筋肉を結合させる過程で細胞同士をつなぐ繊維が増えて筋肉が硬くなることで、「筋肉の硬化=柔軟性の低下」を招いて肉離れが起きやすい状態になっているからです。
また、痛みや腫れが治まっても筋肉組織が回復しきっていない可能性もあります。この段階で筋肉に負担をかけてしまうと症状がぶり返すリスクが高くなるので注意が必要です。
特にスポーツ復帰をする場合は肉離れを最後までしっかり治すこと、完治しても決して無理をしないことを心がけてください。
肉離れが起きた直後の応急処置は、その後の経過に少なからず影響します。
受傷後は速やかに患部の冷却・固定を行ない、症状がある程度落ち着いたらできるだけ早く医師の診察を受けましょう。
また、スポーツをするときには準備運動やストレッチを念入りに行ない、筋肉や体を充分にほぐしてから始めるようにしてください。