記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
多くの人が一年に一度は受けるであろう「健康診断」ですが、結果表にはさまざまな数値が載っており、いったいどこの数値をみたらいいのかわからなくなることはありませんか?チェックポイントをお伝えしていきます。
体の調子が悪くなれば自分の意思で病院に行くことはできますが、自覚症状が現れてから検査を受けたのでは病気が進行している可能性があります。そのため、病気の早期発見という観点から健康診断を受けることは非常に重要です。定期的に健康診断を受ければ小さな病変でも早期に見つけられる可能性が高まるため、手遅れになる前に治療が始められることが最大のメリットです。
また、年齢を重ねると生活習慣病を発病するリスクが高まります。生活習慣病はその名の通り日頃の生活習慣の積み重ねによって起こるものですから、一年ごとに数値の変化を見比べれば生活習慣を見直すきっかけになるでしょう。
普段から貧血を起こしやすい方は、健康診断の結果の中でも特に赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットの数値を確認しましょう(結果表では赤血球数がRBC、ヘモグロビンがHb、ヘマトクリットがHtという文字で記されています)。
赤血球とは、全身に酸素を送り届けたり、要らなくなった二酸化炭素を肺に届けたりする役割を果たしています。つまり赤血球の数が基準値よりも少ない場合は貧血の可能性が高いのです。また、同じようにヘモグロビンとヘマトクリットも基準値をクリアしているか確認しましょう。
血圧や血液検査の数値を見るときは横に記載されている基準値と比較しますが、赤血球数やヘモグロビンは男性と女性で若干の違いがあるため気を付けましょう。なお、収縮期血圧が 140mmHg以上か拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧としています。
普段お酒を飲む習慣のある方は、健康診断の結果の中でも肝機能の数値やコレステロール値をチェックしてください。アルコールを分解するのは肝臓ですから、毎日お酒を飲む方は肝臓に負担をかけている可能性が高いのです。
肝機能の検査項目にはγ-GTPがあり、アルコール性肝障害にかかっていると数値が高くなることが特徴です。厚生労働省によるとγ-GTPの一般的な基準値は、男性が50IU/l以下で女性が30IU/l以下ですから、数値が著しく高くなっている場合は注意が必要です。
また血液検査によって判明するLDLコレステロールの数値は140mg/dl未満が正常の範囲内ですが、数値が高いまま放置すると動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞を発病するリスクが高まります。
生活習慣病が気になりだしたら、コレステロール値や血糖値、尿検査の結果をチェックしましょう。
まず悪玉コレステロールが増え過ぎると、血管壁に蓄積されて血管を細くし、さまざまな病気のリスクを高めてしまいます。また血糖値は血液中にあるブドウ糖の濃度を表しており、高すぎた場合は高血糖と診断されます。健康な人でも血糖値は食事の前と後で変わるものですが、正常の数値はおよそ70から100mg/dlの間とされています。
また、尿検査の結果は尿路の異常の有無や腎臓の状態、糖尿病を割り出すヒントとなります。尿たんぱく、尿潜血はともに陰性と表示されていれば問題はありません。
健康診断の結果表にはさまざまな数値が載っていますが、それらの数値が生活習慣病や貧血などのサインを示していることがあります。基準値よりも外れた数値はないか、チェックしてみましょう。