記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/25 記事改定日: 2019/8/23
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肩こりや腰痛などの辛い症状が緩和する方法として、各メディアで取り上げられることが多い「筋膜リリース」。この記事では、筋膜リリースの効果や具体的な方法、取り組む際の注意点を解説します。
筋膜とは、全身の筋肉を包み込む組織膜のことで、以下の3種類に分けられます。
これらの筋膜は、普段、力の伝達をしたり、体の姿勢を保ったりといった重要な役割を担っていますが、非常に柔らかい組織のため、筋膜同士がくっついてしまうことで痛みやこりの原因になることがあります。
このような状態を解消するのにおすすめなのが「筋膜リリース」です。筋膜リリースとは、筋膜マッサージによって筋膜のくっつきや萎縮を解消するとともに、筋肉の柔軟性をもう一度引き出すものです。「筋膜はがし」と呼ばれることもあります。
筋膜リリースをすると、肩こりや腰痛、ふくらはぎの痛みを改善できるメリットがあります。筋膜リリースによって筋肉の緊張がほぐれ、リンパの流れが整い、関節の可動域が広がるためです。筋肉の状態が整うことで、無理なく姿勢を整えることができるようになるので、結果的に肩こりや腰痛になりにくいカラダづくりにもつながります。
また、筋膜リリースは筋肉の弾力性向上にもつながるため、トレーニング前に行えばトレーニング効果の向上も期待できます。
筋膜リリースのやり方は部位によって異なりますが、具体的には以下のようなものがあります。
片腕を斜め後ろに伸ばし、指先もピンと伸ばします。そのまま腕が動かないよう、もう一方の腕で押さえながら、あごを引いて首をゆっくりと倒してください。
その後、伸ばしている腕と反対側の耳を前方に突き出すようにして首を回し、1分程度キープします。終わったら首を反対側に回し、そのまま再度1分程度キープしてください。同じことをもう一方の腕でも行いましょう。
両膝を曲げた状態であお向けになり、両腕はまっすぐ横に伸ばします。腰をひねるようにして右手で両膝を右側に倒し、顔は左側を向けます。このとき、腰やお尻、背中がしっかり伸びるようにしてください。30秒ほどこの状態をキープしたら、逆側も行います。
筋膜リリースを効果的に行うポイントは、以下の3つです。
筋肉の深層部にアプローチすると痛みを感じることもありますが、できるだけリラックスしながら筋膜リリースを行うことが大切です。お風呂上がりの就寝前や、起床時のしっかりと目が覚めたタイミングなどに行いましょう。専用のアイテムも市販されていますので、必要に応じて活用してみるのもよいでしょう。
たとえば捻挫や骨折といったケガをしている人や、ぎっくり腰、ヘルニア、リウマチの人は、筋膜リリースをすると症状が悪化する恐れがあります。
また、筋膜リリースは筋膜だけでなく骨や血管にも影響を与える方法なので、骨粗鬆症や高血圧、内臓疾患のある人、妊娠中の人も控えてください。特に持病がない方でも、体調がすぐれないときは筋膜リリースは行わないようにしましょう。体に不安のある方は、事前に専門医に相談しておくと安心です