記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/24 記事改定日: 2020/2/20
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
舌咽神経痛は、ものを飲み込んだときなどにのどに激痛が走る病気です。珍しい疾患のひとつですが、この舌咽神経痛は何が原因で発症するのでしょうか?果たして治療可能な病気なのでしょうか?
舌咽神経は、のどの筋肉を動かし、のど、扁桃、舌からの情報を脳に伝えている神経です。舌咽神経痛は、舌咽神経と付近の血管が接触して圧迫されることで神経の伝達が阻害され、咽頭に痛みが生じる病気です。
40歳を過ぎてから発症することが多いまれな疾患であり、男性のほうが発症しやすいとされています。
舌咽神経痛の主な症状は、ものを飲み込んだりするときに生じる、耐え難い痛みです。具体的には、喉や舌の奥、耳の周囲に痛みが出るようになります。
舌咽神経痛は舌咽神経の伝達の異常は、舌咽神経に何らかの強い圧迫がかかることによって舌咽神経に異常が信号が伝わってしまうことが原因と考えられています。
舌咽神経は、頭蓋骨の経静脈孔と呼ばれ小さな穴を通って延髄と舌を結んでいます。
「舌咽神経の圧迫」は、この経路のどこかで神経の周辺を走行する血管が拡張すること・神経の周囲に腫瘍や動脈瘤が形成されることなどによって引き起こされます。
舌咽神経痛のおもな原因は舌咽神経が血管や腫瘍などによって圧迫のため、治療は舌咽神経への圧迫を解除する手術が主体となります。ただし、手術に抵抗がある場合は、薬物療法が行われるケースもあります。
治療や検査は、以下の流れで進められます。
舌咽神経痛は非常に特徴的な症状が現れるため、問診で症状などを確認することで大まかな診断が可能です。しかし、治療方法を決定するには舌咽神経周囲の構造を詳しく調べるため、MRI検査を行う必要があります。
検査の結果、舌咽神経を強く圧迫するような血管や腫瘍が発見された場合は、圧迫を解除する「微小血管神経減圧術」や「腫瘍摘出術」が行われます。効果の高い治療ですが、舌咽神経への圧迫が少ないケースや手術に抵抗のある人には、カルバマゼピンという抗てんかん薬を用いて痛みを抑える薬物療法が選択されることもあります。
舌咽神経の圧迫が原因で起こるとされる舌咽神経痛は、基本的には手術によって治療する必要があります。喉の激痛が続く場合は放置せず、病院で検査を受けるところから始めましょう。