記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
2018/1/30
記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
歯の痛みはとてもつらいものです。歯医者にすぐ行くのが一番の方法ですが、受付時間外だとどうしたらいいのか悩んでしまいますよね。そこで、自分で痛みを解消するための応急処置の方法についてご紹介します。
歯の痛みが急に起こった場合、原因がはっきりとしないと不安な気持ちになるものです。歯の痛みにはいくつかの原因が考えられます。
歯が虫歯菌により浸食されると痛みを生じることがあります。冷たいものを食べたときに痛みを感じるのであれば、歯の表面のエナメル質よりさらに奥まで虫歯が進行している可能性が考えられるでしょう。また、あたたかいものがしみる場合には、さらに神経に近い部分に虫歯が到達している可能性があります。
以前治療した奥歯の詰め物が、食事やふとしたときに取れ、詰め物のあった部分から唾液が侵入する、空気に触れるなどして痛みが起こる場合があります。詰め物のあった歯は、神経近くまで削られている場合もあるため、少しの刺激によっても痛みを生じさせることがあるので注意が必要です。
歯痛は、痛みの出ているところを顔の頬の外側から冷やすと痛みが和らぎます。これは、患部を冷やすことで血流が抑えられるためといわれています。タオルに保冷剤を包んで当てたり、冷湿布を貼ったりすると簡単に痛みを和らげることができるので便利です。なお、急激に冷やすと痛みが増す場合もあるので、少しずつ冷やすようにしましょう。
歯痛に効果がある鎮痛剤や痛み止めを服用することで、少しの間痛みを和らげることができます。歯科で処方される痛み止めとほぼ同じ成分のものが、市販薬でも販売されているので、応急処置として効果的です。また、直接患部に塗ることで痛みを抑える鎮痛剤などもあります。一時的な痛みを抑えるにはこれらの痛み止めを利用するとよいでしょう。
症状を悪化させないために、いくつかやってはいけないことがあります。少しでも痛みを軽減させるために、次に挙げるいくつかのポイントに注意して生活してみましょう。
アルコールを摂取すると、血液の循環がよくなるため、歯の周辺の血流が活発になり、歯の痛みを強める可能性があります。痛みのあるときは、アルコールはできるだけ飲まないようにしましょう。
激しい運動もアルコールと同様に血液の流れがよくなり、歯の痛みを大きくさせる可能性があります。痛みのあるときは、運動は軽めにしておきましょう。
体温が上がることで、血行がよくなり歯の痛みが増すことがあります。歯が痛いときはなるべく入浴は避け、シャワーを浴びる程度にしておくようにしましょう。
突然の歯の痛みを緩和させる応急処置の方法や、やってはいけないことをご紹介しました。あくまでも応急処置のため、根本的な痛みを解消する方法ではありません。応急処置をした後は、なるべく早く歯科に行き治療を行うようにしましょう。