のどのかゆみの原因と対処法 ― 病院を受診したほうがいいのはどんなとき?

2024/3/6

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「のどがかゆい「のどがイガイガする」など、がまんはできるけど明らかに健康ではない症状に悩まされていませんか。のどのかゆみは、おもに風邪やアレルギー症状が原因ですが、そのほかの原因が引き起こしている場合もあります。この記事では、のどのかゆみの原因と対処法について、病院を受診したほうがいいときの特徴もあわせて解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

のどがかゆくなる原因とは?

のどの粘膜には、ウイルスやほこりなどが侵入するのを防ぐ働きがありますが、この粘膜が乾燥したり腫れたりしたときにかゆみが生じます。のどの粘膜の乾燥や腫れは、おもに以下が原因で引き起こされます。

風邪のひきはじめ

風邪などの感染症にかかると、のどが炎症を起こし、かゆみや痛みが起こります。炎症し始めた頃はかゆみが生じ、その後少しずつに痛みに変化していき、発熱や倦怠感を引き起こして「風邪をひいた」状態になります。

アレルギー反応

のどの粘膜にアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が付着すると、のどのかゆみを引き起こします。これは、アレルギー反応により、粘膜が腫れるために起こります。おもなアレルゲンとして、卵・牛乳・小麦・大豆・りんご・桃・マンゴーなどの食べもの、花粉・ハウスダスト・動物の毛などがあり、症状が強く出ると腫れが強くなることで呼吸が苦しくなる場合があります。

乾燥や寒暖差

空気の乾燥ものどの粘膜に刺激を与えるため、かゆみを誘発することがあります。空気の乾燥する冬だけでなく、エアコンの風が乾燥の原因になることもあるので注意が必要です。また、寒暖差による刺激が、のどのかゆみを引き起こす場合もあります。

のどがかゆくなったときの対処法は?

のどがかゆくなると、集中力がなくなったり不快感が続いたりと日常生活に影響が生じます。以下の対処法は、手軽にできるのでおすすめです。

うがい

風邪・花粉症などのアレルギー症状、乾燥など、どのような原因の対処にも、うがいはおすすめです。雑菌や花粉などを洗い流すと同時に、のどの粘膜を潤すこともできます。のどがかゆくなったり、イガイガしたりするときが、こまめなうがいを心がけましょう。

鼻うがい

鼻うがいは、うがいよりものどの奥まで洗い流せます。しかし、鼻うがいは適切な方法で行わないと、症状を悪化させる可能性があります。専用の機器や洗浄液を使い、医師の指示を仰ぐなどして行うようにしましょう。

部屋の加湿

加湿器や部屋干しなどで部屋を加湿することで、のどのかゆみを抑えることができます。部屋の加湿は、乾燥が原因のかゆみだけでなく、ハウスダストや花粉が舞うのを防ぎ、風邪の原因となるウイルスや細菌の増殖を抑えることにも役立ちます。

空気清浄機

のどのかゆみ対策には、空気清浄機もおすすめです。風邪予防にもなりますし、加湿機能付きの空気清浄機を使えば部屋の加湿もできますし、風邪予防にも役立ちます。

アレルゲンを避ける

アレルギーがかゆみの原因の場合は、アレルゲンに触れないようにすることが大切です。花粉症ならメガネやマスクで花粉が体内に入らないようにする、花粉を吸着しやすいウールではなくナイロンなどのツルツルした素材を着用するなどの対策で、花粉に触れる量を減らすことができます。食べものが原因のアレルギーの場合は、摂取しないようにしてください。

掃除

ハウスダストがかゆみの原因の場合は、掃除機を使ったこまめな掃除で抑えることができます。カーテンは外気に乗って付着した花粉がついていることもあるので、定期的に洗濯をしましょう。なお、掃除をしているときはハウスダストが舞い上がることもあるので、マスクをつけることをおすすめします。

生活習慣を見直す

規則正しい生活やバランスのとれた食生活は風邪やアレルギー症状の予防につながります。健康的で規則正しい生活を送ることを心がけましょう。また、タバコはのどの粘膜を傷つけます。のどのかゆみや痛みが気になる人は禁煙し、副流煙も避けるようにしてください。なお、のど飴をなめる、のどを温める、マスクをするなども、かゆみの緩和につながります。

病院を受診したほうがいいのはどんなとき?

上記で紹介したような対策ではかゆみが落ち着かず、長期間続く場合は、一度病院を受診することをおすすめします。おもな症状がのどであれば耳鼻咽喉科が専門ですが、明らかに花粉症などのアレルギー症状によってのどのかゆみが生じている場合は、アレルギー科を受診してもいいでしょう。また、のどのかゆみや違和感は、逆流性食道炎、糖尿病、甲状腺異常、貧血、ストレスなどが原因の場合もあります。長く続くようなら、早めに病院を受診してください。

おわりに:のどのかゆみはセルフケアで対処できる場合もあるが、長く続くときは早めに病院を受診しよう

のどのかゆみは、うがいや加湿、掃除などのセルフケアで対処できる場合もありますが、長期間続くと重症化する場合があります。また、特定の病気が原因でのどのかゆみや違和感が生じている可能性もあるので、長く続く場合や原因がわからないのどのかゆみがある場合は、早めに病院を受診しましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

かゆみ(76) 治療(461) 原因(607) 対処法(191) 喉(13)