赤ちゃんによくみられる症状、臍(さい)ヘルニアとは

2018/7/24

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

赤ちゃんが泣いている時やいきんでいるときに、おへそが膨らんで、でべそになることがあります。このでべそのことを臍(さい)ヘルニアと呼び、生後間もない赤ちゃんにはよくみられる症状です。この記事では、臍ヘルニアについて詳しくご紹介します。

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臍(さい)ヘルニアとは?

臍(さい)ヘルニアは、赤ちゃんのへその緒が取れた後に、おへそが外側へ飛び出してくる状態のことをいいます。症状は、痛みや痒みなどは伴わず、お腹に圧力がかかった時に、おへそが小袋状に飛び出すというものです。飛び出した部分は、腸が出たり入ったりしているため、グジュグジュとした感触で柔らかく、指で押すだけで簡単にお腹へ引っ込みます。

赤ちゃんが泣いたり、いきんだりするとすぐに飛び出してしまいますが、あまり気にしないようにしましょう。大きさは、ビー玉ぐらいの場合やピンポン玉ぐらいまで膨らむ場合など個人差があります。

臍ヘルニアになるのはなぜ?

生まれて間もない赤ちゃんは、お腹の筋肉が未発達のため、おへその下の筋肉が完全にとじていません。そのため、泣いたりいきんだりして腹圧がかかると、筋肉の隙間から腸が飛び出してしまい、おへそを持ち上げてしまいます。その持ち上がった状態がでべそ、臍ヘルニアです。筋力が未発達な低出生体重児や未熟児などに多く見られ、5~10人に1人の割合で臍ヘルニアになります。

臍ヘルニアかも・・・と思ったときは

自分の子どもに臍ヘルニアに似た症状が出た場合は、一時的な飛び出しの可能性もあるので、しばらく様子を見ましょう。
臍ヘルニアは自然治癒する確率が非常に高く、筋力がついてくる2歳ぐらいまでに大半の子どもが治る病気なので、臍ヘルニアになったからといって焦る必要はありません。飛び出しが小さく、子どもが痛がっていなければ、様子を見ても大丈夫です。

なかなかおへそが引っ込まない場合はどうすればいい?

2歳を過ぎてもおへそが出たままだったり、見た目が気になる場合は、医師に診てもらい適切な処置をしてもらいましょう。

スポンジ圧迫法や切開手術が一般的な治療法です。スポンジ圧迫法は、おへそに綿球やスポンジをおへそにはめ込んで、テープやシートで固定する方法であり、この方法だと早いときは1ヶ月、長くても2~3ヶ月で症状が改善するといわれています。この方法は、経過観察として2~3回通院する必要がありますが、自宅で付け外しができるので負担もあまりかからないことがメリットです。

切開手術は、大きくなりすぎたり、痛みが出てきた場合などの、緊急性がある場合に行われることが多い方法です。手術では、臍ヘルニアの原因であるヘルニア嚢を切除し、伸びた皮膚を内側に縫い付け、陥没するように成形します。

おわりに:まずはあわてずに経過を観察をしましょう

赤ちゃんのおへそが膨らんで驚いてしまうこともあると思いますが、臍ヘルニアは赤ちゃんによくみられる症状です。まずは、経過観察で様子をみましょう。見た目が気になる場合は、治療の必要性やタイミングなど医師に相談し、適切な対処をとるようにしましょう。

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