記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
2017/11/21 記事改定日: 2019/9/24
記事改定回数:1回
記事監修医師
東京都内大学病院眼科勤務医
渡辺 先生
眼球振盪(がんきゅうしんとう)とは、自分の意思ではなく、無意識で眼球が動いてしまうことです。
眼球振盪には治療が必要なものと必要でないものがありますが、その違いはいったいどこにあるのでしょうか。この記事では、眼球振盪とは何かについて解説しています。
眼球振盪とは、自分の意思に関係なく目が動いてしまうことです。自覚症状がないので、子供の場合は親などの第三者が違和感にいち早く気づいてあげる必要があります。
ただ、眼球振盪の動きには規則性、周期性があり、本人が意図せずに動いてしまう特徴がありますが、眼球がそのような動きをしているもの全てに病的な問題があるとは言い切れません。
眼球振盪自体は健康な人でも日常的に行われている生理現象のひとつです。しかし、あまりに何度も起こる場合やめまいや耳鳴り、斜視を伴ったり、ものが二重に見える複視といった症状も出る場合は日常生活に支障をきたすことがあります。
日常生活に支障のないものを「生理的眼振」、生活する上で支障のあるものは「病的眼振」と分類されます。
そして病的眼振はさらに「先天性眼振」と「後天性眼振」の二種類に分けられ、それぞれで発現する症状も違ってきます。
眼球振盪の中にはできるだけ早く治療をした方がよいものもあります。
とくに脳や神経などの病気によって引き起こされる眼球振盪には注意が必要です。
次のような症状や行動の変化などが見られる場合には、放置せずに病院を受診しましょう。
また、先天的な眼球振盪には弱視や斜視が原因となるものも多いため
などの弱視を疑う症状や
など斜視を疑う症状がある場合も小児科や眼科に相談しましょう。
先天性眼振も後天性眼振を根本から治す方法は確立されていません。
治療は、まずはその原因疾患を特定することが前提となっています。
先天性の場合は、プリズム式のメガネを用いた屈折異常の補正や、脳の反応を抑制するためのバイオフィードバック療法などの対症療法が多く取られ、外科手術が必要になることもあります。
ただ、先天性のものは成長とともに視線が安定することも多く、脳のフィードバックも働きます。
また症状自体も後天性のものよりも軽度なものが多いので問題なく日常生活を送ることもできます。そうした場合は治療の必要はないと判断されることも多くあります。
後天性の場合はその原因疾患により治療法が異なってくるので、原因の究明、特定が重要になってきます。
眼球振盪には、治療の必要がない生理的なものと日常生活に問題が起こる可能性がある病的な眼球振盪があります。
病的眼振を根本治療する方法は確立されていませんが、原因を特定することで生活に問題がないレベルまで改善できる場合もあるとされています。子供に気になる目の動きが見られるときは、早めに眼科を受診しましょう。