記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
喉に何か詰まっているような異物感を感じ、病院で検査を受けても原因が見つからない咽喉頭異常感症。今回はヒステリー球とも呼ばれるこの病気の症状や原因、治療法などの情報をお届けします。
咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)は、喉に圧迫感や引っかかりなどの違和感があるのに、病院で内視鏡やX線、CT検査などをしても異常が見つからないのが特徴です。身体的な異常がみつかればそれに伴う治療を行いますが、咽喉頭異常感症は検査しても異常が見られないことから、最終的に自律神経の問題とされることが多いです。
咽喉頭異常感症は男性よりも女性の発症率が高く、年齢は30~50歳代の方に多くみられます。内科や精神科ではヒステリー球と呼ばれ、耳鼻咽喉科では咽喉頭異常感症と呼ばれるのが一般的です。
咽喉頭異常感症の症状は、喉のイガイガ感やザラザラ感、唾を飲み込んだ時に異物があるような感じ、痰が絡むなど喉の違和感全般です。強い痛みを感じたり、食事が困難になったりすることはあまりありません。喉に感じる違和感が続くけれど、自分でできる対策をしても改善がみられないため、喉が気になって日常生活に支障をきたしてしまう人もいます。
咽喉頭異常感症の原因は様々です。慢性副鼻腔炎や慢性扁桃炎、逆流性食道炎のような慢性的な喉の炎症が原因になることもあれば、自律神経失調症や糖尿病、更年期障害など全身的な病気による場合もあります。その他にも、舌根扁桃肥大などの形態異常、甲状腺の病気、アレルギー、神経症やうつ病など精神的な疾患、薬の副作用など、非常に多様な原因が考えられます。
ストレスを感じたときに明らかに喉の違和感が強くなる人であっても、心因的な要因だと決めつけずに、まずは身体的な疾患がないかどうかをきちんと診てもらう必要があります。はじめに、喉に異常がないか耳鼻咽喉科や内科で検査をしてもらいましょう。診断は問診後に口内と鼻内の診察、必要であれば内視鏡を使い異常がないかを確認します。喉に異常がないようならば、精神科や心療内科を受診しましょう。
治療は咽喉頭異常感症の原因に基づいて進められるため、個人によって異なります。ただまずは、原因となる異常や病気を優先して治療を行い、喉の違和感となっている根本を取り除いていくことが大切です。心因的なものが原因であるなら、カウンセリングなどの心理療法や、抗不安薬や抗うつ薬などの薬、漢方薬などを処方して治療を進めていきます。
喉は敏感なため、様々な原因により違和感がでることが多い傾向にあります。「検査で異常はないと言われたけれど、喉の違和感が続く」といった咽喉頭異常感症のような症状がみられたら、まずは病院を受診しましょう。