記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
半月板損傷とは、クッションの役割を担う「半月板」という軟骨組織の損傷です。膝関節にある半月板は、スポーツのためには必要不可欠の組織のため、損傷後に復帰するためには適切な治療をリハビリが重要です。この記事では、半月板と半月板損傷についてまとめています。
半月板は膝関節にある軟骨組織であり、半月板損傷とはこの半月板が損傷してしまう障害です。体操やバスケットボール、サッカーなどのスポーツでのケガが主な損傷原因になります。
半月板にはジャンプなどの動きで受けた衝撃を分散させるクッションのような役目がある他、膝関節を使った動きを行う際にバランスを取る役割も担っています。スポーツ時に膝関節に過度な負荷がかかったり、転倒したときなどに膝をひねってしまうときの負荷で半月板が損傷すると、膝関節を動かすときに激しい痛みを感じたり、膝を伸ばす際に何か引っかかるように感じるようになります。
半月板の損傷度合がひどく、関節の中に断裂した半月板の一部がはまってしまうとロッキング状態となり、歩行困難になるほどひどい痛みが現れます。また半月板損傷が慢性化すると、膝の関節内に水が溜まってしまう場合もあります。
半月板損傷の診断には主にMRI検査が使われます。軽症であればリハビリやテーピングなどで補助・補強する保存的療法で治療し、痛みを強い場合は消炎鎮痛作用がある塗り薬や飲み薬を併用します。その他、ヒアルロン酸を関節に注入して関節の潤滑性を高めたり、膝に水が溜まっている場合は穿刺で水を取り除く治療を施すこともあります。
半月板損傷でロッキング症状が見られる場合、水腫や痛みが長く続く場合などは手術が検討されます。手術による治療では、半月板の損傷部分を切り取る切除術や縫い合わせる縫合術などを行います。
切除術では関節鏡視下で損傷した部分のみを切除し、半月板辺縁部(外周部分)が断裂した場合、一定の条件を満たしていれば半月板の機能が損なわれない縫合術が可能となります。しかし、縫合しても必ず治るという訳ではなく、くっつかなかったり、再断裂してしまうなどのデメリットもあります。
半月板損傷の手術を行った場合、一般的には運動再開までには約2ヶ月~6ヶ月ほどのリハビリが必要だと考えられています。リハビリは、手術直後、回復期、復帰前に分けて適したメニューが組まれていきます。もちろん、損傷の程度や個人の体力などによってリハビリ期間やリハビリ内容に差が出ますので、医師や理学療法士の指導を守り気長にリハビリを続けていくことが大切です。
半月板損傷の原因や治療法などについてご紹介してきました。半月板損傷は、球技、体操、スキーなどあらゆるスポーツで発生しやすい比較的身近な外傷の一つです。半月板損傷は、術後のリハビリをきちんとしなければ、スポーツを再開しても再発する可能性が高いといわれています。完全復帰するためには、術後のリハビリが重要です。医師や理学療法士の指導を守り、最後までリハビリを続けるようにしましょう。