記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/27 記事改定日: 2019/1/28
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
突然死の原因として多くを占める「急性心筋梗塞」。この急性心筋梗塞は、発症し次第すぐに処置を行う必要がありますが、どうやって処置すればいいのでしょうか。
心筋梗塞の前兆とあわせて解説していきますので、いざというときのためにきちんと覚えておきましょう。
急性心筋梗塞とは、冠動脈内に突然血栓ができたために、心筋(心臓の筋肉)に血液が行き渡らなくなった結果、壊死に至った状態です。
急性心筋梗塞を発症した人のうち、約3分の1は病院に到着する前に亡くなっています。これは、急性心筋梗塞によって心筋の壊死が進行すると、心臓がその機能を果たさなくなり、全身へ送る酸素の供給量も急速に減少してしまうためです。
血流が20分停止すると、心筋が壊死し始めます。
この壊死は3時間以内に血流を復活させれば一定程度は抑制できますが、6時間を超えた頃には回復は絶望的になるとされているのです。
また、急性心筋梗塞は心室細動(不整脈の一種)を合併しやすいのですが、心室細動が起きた場合、1 分以内に心肺蘇生を開始し、5分以内に除細動を行えば生存率は約35%ですが、除細動の開始が10分後になると生存率は下がります。
この点から、急性心筋梗塞は発症し次第、すぐに処置を行うことが非常に重要なのです。
急性心筋梗塞が疑われる症状をみかけた場合は、以下のような行動を取りましょう。
急性心筋梗塞には、前兆とも受け取れる症状(顔面蒼白、息切れ、血圧の急降下、めまい、全身のだるさ)があります。
これは冠動脈が詰まることで心臓の機能が低下し、全身の酸素量が著しく減少しているために起こります。
また、胸のあたりが広範囲に渡って痛くなる、胸部に圧迫感がある、激しい痛みも、前兆の可能性があります。
急性心筋梗塞の前触れとなるような症状の中には、全身の冷や汗や胸や腹のむかつきなどもありますので、このような症状がある人はすぐに病院を受診しましょう。
また、突然の冷や汗や吐き気を伴うような、胸を刺すようなつらい痛みが30分以上続く場合は、急性心筋梗塞を発症している可能性があります。このような場合は、一刻も早く救急車を呼びましょう。
こうした知識を持っておくと発作を起こす前に病院で対処できることもありますし、万が一急性心筋梗塞を発症しても、速やかに適切な対処を受けられる可能性が高くなります。
急性心筋梗塞を発症した方は、少なくない割合でそのまま命を落としています。
息切れや胸の痛み、冷や汗などの異変が現れたらすぐに病院を受診しましょう。発症してしまった場合は、早急に適切な処置ができるかどうかが、生存のカギを握ります。
正しい対処法を覚えておき、いざというときにすぐに行動にうつせるように備えておきましょう。