記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
2018/1/31 記事改定日: 2018/5/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
ホワイトニングは、数回繰り返して施術する必要がありますが、一度白くなった歯に再度色素が沈着することはないのでしょうか。この記事では、ホワイトニングの効果を持続させるにはどうすればいいかを詳しく解説しています。
ホワイトニングは、歯を漂白させる施術の総称で、審美歯科などの歯科医師が行う場合もありますが、歯科医師資格が必須となるわけではありません。
自宅で自分自身で薬剤を歯に付けて行うセルフホワイトニングもありますし、歯科医師や歯科衛生士などの資格はないものの、顧客にホワイトニング施術を行うデンタルエステなどの業態もみられます。
セルフホワイトニングやデンタルエステは、手軽で安価ですので、施術回数を増やすことができますし、よりリーズナブルに白い歯を得られるというメリットがあります。
ただし、セルフホワイトニングやデンタルエステなどで使われる薬剤の漂白効果は限定的だといわれます。
そもそもホワイトニングの有効成分である過酸化水素の濃度が高い薬剤を扱えるのは歯科医院に限られています。よって、確実なホワイトニング効果を得たい場合は歯科医院を受診したほうがいいでしょう。
一般的に歯科医院で行われるホワイトニングには、毎回歯科医院に通院して行う通院型と、歯科医院での通院も必要ですが、主に自宅でのケアが重要になるホームクリーニング型があります。
通院型のホワイトニングは、歯の表面に歯を白くする効果のある薬剤を塗ることでホワイトニング効果を得るものです。歯の着色が軽度な場合に一回の治療のみで十分なホワイトニング効果を得ることが可能ですが、多くは5~10回ほどの通院が必要となります。
一方、ホームクリーニング型のホワイトニングは、歯科医院で自分に合ったマウスピースを作り、自宅でマウスピースの中に専用の薬液を入れ、歯にかぶせることでホワイトニング効果を得るものです。一般的には、マウスピースと専用の薬液が数回分ついていますが、これだけで十分な効果を得ることは難しく、3~5回の追加処方が必要となります。
ホワイトニングは一度行えば永久的に効果が持続するものではなく、歯磨きの仕方や食生活などによって色の戻りが起きてしまうものです。
一般的に、歯科医院で行うホワイトニングでは、通院型の場合は3~6か月、ホームクリーニング型では6か月~1年ほど効果が持続すると言われています。
また、より長い効果を得るには、通院型とホームクリーニング型を同時に行うことがすすめられており、多くは1年間の効果持続が期待できますが、人によってはそれ以上の期間、効果が得られることもあります。
ホワイトニングは、施術後に歯の色が元に戻っていってしまう「色戻り」が起こるため、1回受ければ永久的に効果が持続するわけではありません。「歯が白くなった」と実感できるほどの状態が続くのは半年~1年程度といわれています。
とくに赤ワインやコーヒー、紅茶、緑茶など、歯の色素沈着が起きやすい飲み物を好む人、あるいは喫煙の習慣がある人は「色戻り」が早くなってしまう傾向があるといわれています。
普段の歯磨きなど、ホワイトニングの「ホームケア」が不十分、不適切な場合も、色戻りが早まることがありますので、改めて歯科医のアドバイスを受けて、改善していくようにしましょう。
ホワイトニングの効果をキープさせる目的で行う、メンテナンス的な継続的施術を「タッチアップ」と呼びます。歯科医の指導で、定期的にタッチアップを受けると、色戻りが回避されます。
歯磨き粉の中には、歯を白さを保つ有効成分が配合されているものがあります。ただし、そのような歯磨き粉の中には研磨剤が含まれているものが多いです。研磨剤は歯のエナメル質に小さな傷を付けてしまい、その傷の中に色素が染み込みやすくなったり、虫歯の原因になることがあります。ホワイトニング用の歯磨き粉を選ぶときは、研磨剤の入っていないものを選ぶようにしましょう。
前述したコーヒーやワイン、タバコなどは歯の色素沈着を促しますので、なるべく避けましょう。ただし、歯科医のホワイトニング施術の種類によっては、そのような食事制限が不要なものもあります。
ホワイトニングは、人の第一印象を引き上げるのに有効な歯科施術です。しかし、一度受けたらずっと、その白さが続くわけではありません。個人差はあるものの、半年~1年を目安に「色戻り」が起きてしまうといわれています。そのことを念頭に置きながら、定期的にホワイトニングやタッチアップなどを受けてメンテナンスを続けていきましょう。