記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/19 記事改定日: 2018/6/21
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
前立腺肥大症は男性特有の病気です。発症すると尿に関するトラブル(尿漏れ、頻尿など)に見舞われ、薬での治療が難しくなると手術が必要になります。
この記事では、前立腺肥大症の手術について詳しく説明していきます。
前立腺は膀胱の出口で尿道を囲むように存在している、男性特有の臓器です。前立腺肥大症を発症すると、前立腺が大きくなって尿道を圧迫するために尿が出にくくなる症状がみられます。
前立腺が大きくなる原因は明らかになっていませんが、一般的には50歳を超えた頃から前立腺の肥大が始まると言われています。
肥大する程度にはステージがあります。最も軽い状態は刺激期と言われ、トイレが非常に近くなり、夜中に何度も起きてトイレに行ったり、すぐにトイレに行かないと漏れそうになってしまったりします。そこから病状が進むと、残尿発生期になります。このステージでは、尿意があるのにスムーズに出ない、力まないと排尿できない、排尿の途中で止まってしまう、残尿感がある、尿漏れしてしまう、といった症状がみられます。
最終的には慢性尿閉期になり、尿が全く出なくなります。ここまで症状が進むと、すぐに病院を受診する必要が出てきます。
前立腺肥大症の治療では薬物療法も行われますが、それでは十分な効果が見られない場合は手術療法が行われます。前立腺肥大症の手術療法には、TUR-P(経尿道的前立腺切除術)とHoLEP(ホーレップ)があります。
HoLEPがTUR-Pと違う点は、出血量が少ないことです。また、前立腺が非常に大きくなっている場合にTUR-Pを行うと出血量が増えるため不向きとされていますが、HoLEPならば大きさに関係なく行える、というメリットもあります。
前立腺の肥大が非常に大きい場合は開腹手術が必要になることもあります。
この手術はお腹の下の方を開いて、前立腺の外側の膜を残して前立腺の内部のみを摘出します。摘出する部分が多いため、大量出血することも少なくなく、輸血が必要になることもあります。また、術後の回復にも時間がかかり、2~3週間の入院期間が必要になります(開腹をしない手術の場合、入院期間は1週間程度で済みます)。
前立腺肥大症の治療方法は世界的にTUR-Pが標準になっているため、TUR-Pならほとんどの施設で受けられますが、開腹手術は行っている施設が少ない、という特徴もあります。このため、もし前立腺肥大症が大きくなりすぎて開腹手術が必要になってしまった場合は、開腹手術を行っている病院を探す必要が出てきます。
以下のような合併症が起こる可能性がありますが、全てが必ず生じるわけではありません。
おわりに:前立腺肥大症の手術では、開腹しないことが大半だが、状況によって開腹せざるを得ないことも
前立腺肥大症の手術では、開腹の必要がないTUR-P(経尿道的前立腺切除術)やHoLEP(ホーレップ)が行われます。しかし、前立腺があまりにも大きくなっている場合は開腹手術が必要なこともあります。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。