女性男性型脱毛症、FAGAとは!?原因や対処法についてわかりやすく解説

2018/2/6

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

女性男性型脱毛症(FAGA)は、女性版のAGAであり、女性ホルモンの分泌量の低下からホルモンバランスが乱れることで起こるといわれています。この記事では、FAGAの原因と対処法について解説しているので、薄毛が気になっている女性は参考にしてください。

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FAGA(女性男性型脱毛症)にはどのような特徴がある?

FAGAは、女性ホルモンの減少によるホルモンバランスの乱れが原因で起こると考えられています。若い女性よりも40歳以降の更年期に発症することが多いのが特徴です。

FAGAは、生え際の後退などといった男性のAGAとは異なり、生え際のラインは変わらないまま頭部全体が薄くなるという特徴があります。そのため、通常は「ここが薄毛」といった、はっきりとした薄毛の部位があるわけではありません。だんだんと抜け毛が増え、分け目が広がってきたと感じるようになり、そして症状がさらに進行すると、広い範囲に渡って毛量が減少し、頭頂部を中心として頭部全体が透けて見えるようになります。

FAGAの原因とは?

FAGAの主な原因は、女性ホルモンの減少によるホルモンバランスの崩れです。女性ホルモンには髪の毛の毛根部にある毛乳頭細胞の「発毛促進シグナル」を増やす作用があり、女性ホルモンが減少すると この「発毛促進シグナル」も減ります。
同時に、女性も微量ながら男性ホルモンを分泌していますが、40歳前後になると女性ホルモンの分泌が徐々に減り、男性ホルモンとの理想的なバランスが崩れてきます。
これにより、頭頂部をはじめ全体的に髪が薄くなり、さらに毛が細くなることによって薄毛を意識するようになります。

また老化も、FAGAの原因として考えられています。細胞自体の老化や動脈硬化などによって血流が悪化することで、年齢と共に次第に毛包が消えていき、特に60歳を越えた辺りから大部分の女性にこうした脱毛症状が見られるようになります。

さらに過度のヘアケアも脱毛の原因となりかねません。清潔さを求めての過剰な洗髪は、界面活性剤などを含むシャンプーやリンス、ヘアムース等を大量に使用することで髪にダメージを与え、必要な適度の油脂も洗い流してしまいます。

その他、日ごろの生活習慣も頭髪へのマイナス要因になる場合があります。過度のお酒やタバコは、血液循環を悪くし毛髪に悪影響を与えます。また髪はタンパク質を主成分としているため、大豆や魚、また亜鉛や鉄分の摂取が重要です。また、有酸素運動などの適度な運動は、血行を促進して毛髪の健康にも影響することから推奨されています。

 FAGAは病院で治療できる?

内服薬パントガール®

パントガールは、毛髪の主成分など様々な栄養素が含まれ発毛促進効果を期待される薬剤です。ただしサプリメントのような薬であり、効き目は穏やかで、即効性はあまりありません。3か月以上の服用で効果が出てくる場合もあるので、長期的な視野で使用することが推奨されています。妊娠中や授乳中は注意が必要です。

外服薬ミノキシジル

ミノキシジルは毛細血管を拡張させ毛乳頭に栄養分を多く届けるという効果があり、頭皮に直接塗布します。毛髪の細胞に働きかけることで、毛髪の成長を促す物質が多く分泌されるように働きかけます。
この薬剤は壮年性脱毛症に関する効果があることについて国から認められていますが、その他の原因による脱毛には効果が見込めません。男性のAGA治療にも使われ、FAGAの場合も効果を期待できますが、男性用は女性用よりも濃度が高く、副作用の危険性があるため注意が必要です。

育毛メソセラピー

育毛メソラピーは、直接頭皮の毛根に有効成分を含んだ薬剤を注入する医療技術です。
薄毛の初期よりも、中期、後期段階の患者に適した治療法とされています。
内服薬と違って直接作用させるため、その他の部分への影響が少なく副作用のリスクが少なく、痛みをあまり伴わない手法も開発されていますが、他のAGA・FAGA治療薬に比べると高価というデメリットがあります。

HARG療法

HARG治療は毛髪の再生能力を高めていく新しい治療法です。幹細胞から抽出した、各種の成長因子を含むタンパク(AAPE)と、毛髪の成長をうながすビタミン類やアミノ酸が含まれたHARGカクテルと呼ばれる薬剤を頭皮に局所注入します。それによって活動を停止した細胞にダイレクトに働きかけ、毛髪の再生及び成長を促します。育毛メソラピーとの違いは注入する薬剤に成長因子が含まれているか否かという点です。
治療には多少時間と回数がかかり、高額にはなりますが、その分発毛率は高いといわれています。

日常生活で気をつけられることは?

食生活のバランス、良質な睡眠、適度な運動、ヘアケアに気をつかい、ストレスをためないようにすることが、薄毛の予防には不可欠です。タンパク質、亜鉛やミネラルの摂取の他、規則的で快適な睡眠、適度な運動、血液循環を悪化させないようストレスをため込まないことや禁煙などを心がけながら対策していきましょう。

おわりに:FAGAは専門医に相談しながら、生活習慣の改善で予防しよう

FGFAの発症原因には、加齢や老化など食い止めがたい要素も挙げられますが、さまざまな治療法が開発されているうえ、日常生活を注意することによってもある程度予防できるものです。まずは専門の医療機関に相談し、食生活や睡眠のとり方など、もう一度生活を見直してみましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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