記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
パートナー同士がセックスすることは当然のことであり、非常に大切なことです。セックスをすれば妊娠の可能性があるので、経済状態などで妊娠を望まない場合には、避妊をする必要があります。この記事では、コンドームの使い方とその他の避妊方法をまとめて紹介していきます。
パートナーや配偶者とのセックスは、とても大切なコミュニケーションのひとつです。しかし、セックスには妊娠の可能性があることを忘れてはいけません。妊娠して子供を産むということは、人生においてとても大きなことです。学生であったり、仕事の状況であったり、金銭面であったり、さまざまな理由で子どもを持つことが難しい状況にあることも多いのではないでしょうか。
健康な男女が避妊しないでセックスをすれば、妊娠の可能性は必ずあります。正しく避妊をすることで、望まない状況での妊娠を防ぐことができます。厚生労働省が行った平成24年度衛生行政報告例の概況から人工妊娠中絶の推移を見てみると、年々中絶数は減っています。しかし、平成24年度で196,639件もの中絶手術が行われているのです。中絶手術は、心にも体にも大きな負担を残します。それを防ぐためにも、正しい避妊を行うことが必要になってくるのです。
手軽に入手出来て一定の避妊効果があるのがコンドームによる避妊です。また、コンドームは避妊だけでなく、性感染症を予防にも使えます。コンドームは、男性器にゴム製の袋をかぶせることで、精子が腟内に放出されることを防ぎます。しかし、間違った使い方をしてしまうと、破れてしまったり外れてしまったりして避妊に失敗してしまうことがあります。
まずは正しい使用法をチェックしておくことが大切です。コンドームの正しい装着法を見ていきましょう。
コンドームを装着するのは、男性器がパートナーの性器に接触する前です。精子は射精時だけでなく、射精前後にも微量ですが流れ出ています。挿入前には必ずコンドームを装着しましょう。
コンドームは薄いゴムで出来ているため、尖ったものなどでひっかいたりすると破損する可能性があります。個包装された袋を開ける時は、コンドームを端に寄せて、反対の端から指で破り、切れ端を完全に切り離すようにします。取り出す時も爪などで傷つけないようにしましょう。
コンドームには裏表があるので、まずは表裏を確認します。コンドームの先には、細くなった精液だめという部分があります。ここに空気が残っていると、射精時にコンドームが破裂することがあります。コンドームを亀頭の上に置いたとき、精液だまり部分を軽くおさえて空気を抜きましょう。
男性器の包皮を根元方向に引っ張ってから装着しましょう。
爪を立てるとコンドームが破損するおそれがあるため、指でゆっくりと根元に向かってコンドームを引き下ろし、装着します。
コンドームの根元を持ち、包皮ごと先端方向に動かします。こうすることで、包皮がコンドームと一緒に動くため、外れにくくなります。
男性器は、射精後すぐに勃起がゆるみ、コンドームがはずれやすくなります。射精後は男性器の根元でコンドームを抑えながら、すぐに抜くようにしましょう。
避妊する方法には、コンドーム以外にも様々な方法があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合う方法を選ぶことが大切です。代表的な4種類の避妊方法について紹介していきます。
女性ホルモンを含む低用量ピルを服用することで排卵を抑制し、避妊します。メリットは女性主体で避妊できること、正しく服用すれば避妊効果が高く、ほぼ100%避妊できるといわれています。また、月経周期が規則的になる、PMS改善に効果があるなど避妊以外にもうれしい効果が期待できます。デメリットは医師による処方が必要で手間がかかること、毎日服用する必要があること、まれにですが副作用があることです。
モーニングアフターピルとは、セックス後72時間以内に黄体ホルモンを含んだ薬剤を服用する方法です。メリットは、緊急に妊娠を防ぐことができることです。デメリットは医師に処方してもらう必要があること、避妊できる割合は81%ほどで完全ではないこと、副作用が強く出ることが多いということです。
プラスチック製の器具を医師によって子宮内に挿入してもらい、着床を防ぐ避妊法です。一度の挿入で、2~5年間避妊ができます。黄体ホルモンを放出する器具を挿入する、IUS(intrauterin sysytem:子宮内黄体ホルモン放出システム、ミレーナ®)という方法もあります。メリットは女性主体で避妊できること、授乳中でも使用できること、薬の飲み忘れなどがないことです。デメリットは不正出血や生理痛、腹痛が起こることがあること、医師による装着・除去が必要だということ、出産経験のない女性には使いにくいなどの点です。
基礎体温を記録して排卵期を予測し、その期間にセックスをしないことで妊娠の可能性を減らす方法です。メリットは器具や薬を使わないので手軽だということ。デメリットは毎朝きちんと体温を測定する必要があること、発熱やストレスで基礎体温が変動し、排卵期が見つけにくくなること、妊娠の可能性が他の方法に比べて高いことなどがあります。
望まない状況での妊娠は、男性にとっても女性にとっても大変な出来事です。それを防ぐためにも避妊はとても大切になります。現在では様々な避妊方法があり、女性が主体となって行うことも可能です。まずは正しい避妊の知識を身につけて、自分とパートナーの身体を守りましょう。